着任のご挨拶

(大学教育センター特任助教 越野圭美)

_静岡大学のみなさん、こんにちは。今年2月に特任助教として着任いたしました越野圭美(こしのよしみ)です。着任のご挨拶をさせていただける機会を設けていただきまして、ありがとうございます。

 さて、私が静岡に最初に来たのは、今から数十年前の幼少時に富士登山をした時です。子供ながらに、「静岡県は、日本一高い富士山がある神聖な地域」と思っており、当時は、自分が数十年後にこのような形で静岡に来るとは思ってもいませんでした。人が一生の間に行ける場所、住める場所、仕事をする場所、そして会える人の数は本当に限られていると思いますので、静岡大学にいるこの機会に皆様のお役に立てると光栄です。
 ところで、私の専門は開発経済学です。そもそも、私が開発経済学に関心を持つきっかけになったのは、アフリカの発展途上国を特集したテレビ番組でした。現地の人々のために自分の専門分野を活かして働く人々の映像を見て「子供が沢山苦しんでいる国を他の国の大人達が協力して助けることができるんだ!」という衝撃を受けました。今にして思えば、現地に赴いている国連の活動の一部だったのでしょう。その後、紆余曲折を経て、実務では地球にある6大陸のうち、北米と南極(笑)を除く、4大陸にある国々に携わることが出来ました。
_担当した国の中には、突然に政権が崩壊し未だに政情不安定な国もあれば、その後も順調に経済成長を続けている国もあります。いずれの国にせよ、国際機関、主要援助国政府、NGO等が協働関係の下に、試行錯誤して様々なプロジェクトを現場で実施していますが、その結果としての指標、および効果的なキャパシティ・ディベロップメント(CD)等を直ぐに期待することは出来ません。情報伝達が瞬時になされる昨今ではありますが、結果や成果がすぐに伴わない課題が山積しているのが現実です。
_そのような現状の下、開発経済学が現場で活かされる国際協力・ODA(Official Development Assistant:政府開発援助)の分野、或いはポストODA事業の継続においては、今後、知的ネットワークの中核である大学が重要な役割を担うことが強く期待されています。様々な国が協働活動をすることになる現場に積極的に大学が参画するということは、大学としての価値を国際舞台にて認められるという点で有意義であるだけではありません。何よりも大学の主役である学生が、国内に留まらず、国外の課題解決型の国際協力プロジェクト等に資することにより、学業終了後のキャリア形成に何らかの影響をもたらすに違いありません。
_ここ十年で国際協力・ODAを取り巻く環境に変化があるように、学生を取り巻く社会の環境にも変化があり、今、その変化に伴い学生の就業力の育成を図る教育プログラムの推進がなされています。皆様のご指導を仰ぎながら、私の専門および実務での経験を生かしつつ、静岡大学の学生にお役に立てる教育プログラムを発信する一助となるよう精進を重ねたいと思います。