学務部就職支援課では、企業での勤務の経験と資格を生かして工学部生の就職支援を担当されている職員の方に、英語の必要性についてお話を伺いました。

 

1.最近の採用条件の傾向について

 英語に関して、記載がある場合はTOEICスコアが600点~700点必要と書かれていることが多いようです。明記されてなくても、海外で自社製品を生産している企業はとても多く、そのような企業では英語は避けられない状況です。

 

2.就職後に英語を使う頻度や機会について

 仕事をする上での英語の使い方には2通りあります。英語そのものを生かす方法と、英語をツールとして使う方法です。日本の企業で海外に進出している場合や、メーカーの営業事務などの業務では英語力を活かせる機会が多いでしょう。取引の相手がアメリカかアジアなのかでコンタクトの仕方は変わってきますので企業により、英語の使い方は様々です。一方、英語がツールとなるのは、パソコンの画面が全て英語である場合や、テレビ会議を英語で行うような企業で働くことです。企業には、社員の英語力を向上させる支援があり、社員はそれを利用することが多いようです。

 

3.就職後の英語力について

 仕事上、英語力が必要な企業は、必ず英語の入社試験を行いますが、そうでない企業でも入社試験での英語テストをオプションとし、その成績がプラスになることがあります。金融機関でも海外に社員を派遣することがあり、技術系の職に就いても、最近は社員が海外へ行く機会が増えてきました。

 大学への求人でなくても、求人票に「日常英会話が無理なくできる人」と記載されることが多くなってきました。英語力だけではなく、他の条件とセットになっていることが多いのですが、どこの企業でも多かれ少なかれ、英語を使う機会はあると思います。

4.今のうちにやっておいたほうがいいこと

 チャンスがあればTOEICにチャレンジしておいたほうがいいと思います。TOEICは受験しているうちに徐々にスコアが上がっていくものなので、回数を重ねておくほうが良いでしょう。英語学習はやれるときにやっておいたほうがいいと思います。

 また海外留学はとても良い経験になると思います。就職活動の際に、他の人とは違う経験をしたことをアピールすることができるからです。

 

5.グローバル化に対応するには

 大企業だけでなく、今は中小企業も海外に工場を持つ時代になってきました。まずは海外に興味を持つことが大切です。海外に赴任するチャンスを前向きにとらえる人と、行きたくないと感じてしまう人と二極化しています。入社してから、可能性のある人と見られれば、海外へ送り出されることもあるでしょう。そのような意識を持つことが大切だと思います。

6.就職活動で成功するには

 工学部では機械メーカー、自動車産業など製造業を希望する人が非常に多く、また情報系ではシステム関連の仕事も人気があります。企業の中にはインターンシップを行う会社がありますが、インターンシップに参加することで企業から声がかかることもあります。夏に1~2週間程度、現場で就労体験をしますが、そこで技術的なことを学んだり、ケーススタディを経験したりします。その中で評価を受けて、将来の自分をイメージしていきます。授業で学んだことに加えて、理系的思考の応用ができることや、論理的に物事を考えて、原因を突き詰めたり、仮説を立てたりする応用力が求められます。どのような場においてもチャレンジ精神、素直さ、コミュニケーション能力がある人が、高評価を得る可能性が高いでしょう。