プレゼンテーション入門でのフィールドワーク実践報告 その2

山本隆太・山本好比古・坂井敬子・須藤智

1. 全体の枠組み
_静岡大学では、平成28年度から地域創造学環が開始されました。本年度、大学教育センター教員が、地域創造学環の教養科目「プレゼンテーション入門」を担当しています。この授業では、レジュメやスライドによる情報伝達能力を育成する目標に加え、静岡県の地域的課題を発表のテーマとして取り上げることで学生の地域志向を促すことを目標としています。また、今後の全学教育科目における地域志向科目において、同様の科目が、展開可能かどうかCOC+事業の枠組みの中で検討しています。今回は、4クラスがそれぞれいくつかのフィールドに出向き簡易なフィールドワークを実施してきましたので、それぞれを連続で報告いたします。(文責:須藤)

2.須藤クラスでのフィールドワーク紹介
須藤クラスでは、「東大がつくった高齢社会の教科書(東京大学高齢社会総合研究機構)」を発表テキストとしてレジュメ発表を行ってきました。この教科書の中でユニバーサルデザインやバリアフリーなどの街のデザインの諸問題、高齢者の心身の機能低下の問題を取り上げました。そこで、今回のフィールドワークでは、静岡市街地のユニバーサルデザイン、バリアフリーがどのような状況であるのか、自分とは異なる他者の視点から実際に調査し発表するという企画を実施しました。具体的には、今後、高齢社会が進むにつれて街を車いすで歩く高齢者、介護者が増えることが予測されるため、介助者が必要な車いすに試乗し、その乗車者、介助者の視点から調査をすることとしました。
3.フィールドワークの詳細
I Loveしずおか協議会と事前調整の上、駅→呉服町→七間町→県庁→セノバというルートで調査を行いました。調査時には、乗車、介助担当者、データ記録者数名、安全確認者を配置しました。調査は3時間程度実施しました。
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4.調査結果(速報)
(1)静岡駅北口駅から地下道、地上商店街へのルールを車いすで移動することは可能であったが、歩くよりもかなり時間がかかった。しかし、案内板などは十分に整備されており、どのように進めばよいのかについてのルート理解は十分にできた。(2)葵タワー付近まで地下道で進むと地上に上がるルートを探すことが困難であった。地上に上がるために、パルコ店内のルートしか見つけられず、探すまでにかなりの時間がかかった。(3)地下道で北に進むと最終的に行き止まりになった。(4)地上では、駐輪が多く、他者とすれ違うのが困難な場所があった。(5)歩道から道路を通過する際の段差で躓きそうな箇所が多々あった。(6)少し車道に傾斜がある歩道は、車いすを押しにくかったり、倒れそうになる箇所があった。(7)七間町から警察署へ向かうルートの歩道は狭かったり、小さな交差点が多いため、段差がたくさんあり、注意する必要があった。(8)北街道からセノバへのルート、109付近から御幸通りのルートは道幅が狭く、車との距離が近かった。(9)車いすの乗車中は、多くのルートで揺れが大きく、乗っていて怖かった。
実際に、車いすを体験することで上記の問題に気づくことができました。大学生のような体力のある介助者がいたとしても、実際の歩道を車いすを押しながら歩くのは大変でした。また、必ずしもすべての道の状態が良いわけではなく、乗り心地などでの問題(倒れそうになったり、乗っていて振動が不快)があったようです。
絶対に前に進めないというルートはほぼありませんでしたので、「どうにかなる」というレベルは保証されていることは十分に理解しましたが、今後の高齢社会の中で生活する人々の視点でさらなるバリアフリーやユニバーサルデザインの検討が必要かもしれないということに気づきました。(文責:須藤)

 

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