情報学部 田村先生

自分の世界を広げる英語力

 

Interviewer:英語科目部FD委員

Interviewee:情報学部 情報社会学科 田村敏広 准教授

 

質問(以下Q):情報学部の3、4年生になってからは主に専門分野を学んで行くと思いますが、その際にどのような英語力が求められますか。

田村先生(以下T):情報学部ではいくつかのコースが設定されています。たとえば、計算機中心のコースに進む学生の多くは大学院に進学します。したがって、研究面でいえば、各分野の論文を読み進める力、将来的には海外で学会発表を行うプレゼンテーション力が必要になってくるでしょう。

 情報システムプログラムでは、大学院に進む学生も多いですし、将来SE (system engineer)として働く学生も多いです。そうすると、やはり英文の論文を読む力、内容を読み解く力が必要となってきます。

 いずれのコースであれ、3、4年生になると学ぶことの内容も専門性が高まり、ゼミに所属して卒業研究を進めていくので、どの分野においても海外の論文を読み進めていく必要は出てきます。

 この意味で、まずはリーディング力を伸ばしてください。卒業論文を英語で書く学生は少ないので、この段階でライティングに重きを置く必要はないのかもしれません。やはり、まず英語で書かれたものをインプットとして読んで、理解して論文としてまとめていくことが重要です。

 4年を終えて修士課程に進んだ場合、修士論文を英語で書く学生もいます。少なくとも論文のアブストラクトを英語で書くことは求められます。A4用紙1枚程度の英語をしっかり書ける力を最終的に身につけてほしいですね。

 卒業研究との関連でさらに言うと、メディア分析をする学生も非常に多いです。その意味で海外のニュースなどを見ていく際にはリスニング力も必要になってくるでしょうね。

 また、3、4年生になると、学外での活動にも積極的に参加する学生が増えます。外国からの留学生との交流に興味を持ち、チューターなどとして活動する学生もいます。そのような場面ではまさに英語のリスニング力やスピーキング力も必要とされてくるのかもしれませんね。

 

Q: 学部の3、4年生で授業として英語に接する機会はありますか?

T: 3、4年では必修科目という形で英語に触れることはありません。もちろん、必修の英語科目を1、2年生で修得していることを前提にしての話ですが。国際交流に興味を持つ学生は学内・学外の英会話教室に参加したり、独自にライティングを学んだりしているようですね。また、大学院進学を目指す学生は英語のライティングに力を入れる学生も多いです。それ以外の学生は3、4年時に全く英語に触れないという状況がある。ある種の二極化が起こっているは残念ですね。

 

Q: 英語の選択科目は2年生以上でも履修することが可能となっていますが、その機会を活用する学生は多いのでしょうか。

T: 情報学部では2年生以上で履修している学生はあまり多くないと思われます。1年時に必要最低限の英語科目を履修してしまい、英語を学び続ける意識が欠けてくるようです。3年生以降に専門科目を学ぶ際、英語力が低下していることに気づく学生も少なくありません。先ほども触れたように、情報を吸収する、または発信するツールとして英語を使用していく必要性が出てくるのですが、そのような意識が希薄なのではと思ってしまうケースが間々あります。この辺りを意識して、日頃より英語力を高めていければよいのかもしれません。

 

Q: 大学卒業時、学部生にはどの程度の英語力を身につけていてもらいたいですか?

T: “情報”学部を卒業する以上、さまざまな形態の情報(計算機という意味での情報や情報社会)に触れていく中で、より広い視点を持っていってもらいたいと思います。情報社会学科を例にとってみると、社会を分析して社会をデザインしていくことが一つの側面・目的であり、社会を分析することが情報社会学科ではキーになってきます。その意味で、英語をツールとして使うことができれば、より広く社会を観察し、正確に読み解くことができるようになるでしょう。やはり、ツールとしての英語を身につけておくことが必須だと思います。システムを構築していくという面でも、文系・理系の垣根なく社会を見極めた上で、開発を行っていかないと独りよがりになってしまうと思うので、その意味でも英語力を身につけていくことは必要でしょう。モノを作る面でも、海外の技術者との連携が出てくれば、グローバルなコミュニケーション・ツールとしての英語力も重要視されてきます。

 現在、学部生として生活していく上では必要ないと英語を切り捨ててしまうのは非常にもったいないことだと思います。今の時点では創造できないかもしれないけれど、それを本当に使わないのかどうかは現時点ではわからないことです。

 

Q: それは学生が社会を経験していないからでしょうか?

T: そうかもしれません。現段階では自分の周りの社会がどう広がっていくかわかりません。今後、自分の世界が広がる可能性を早い段階で切り捨ててしまうのは残念なことです。

 

Q:今後、モノや人の行き来が世界レベルで益々盛んになると思われますが。

T: そういう意味では、やはり早い段階で「自分は英語を使わない」と切り捨ててしまうのはもったいないとしか言えません。英語というのは個人間のコミュニケーションにとどまらず、外の世界を観察したり分析するひとつの道具、世界とより広く接するための道具です。そういった視点を持ち続ける必要があると思います。

 おそらく、今後、アカデミアだけでなく、一般社会において、ツールとしての英語力が益々要求されてくると思います。今の社会では日本だけで簡潔することはほぼなく、海外とのつながりが出てきます。どのような企業に入っていくにしても、英語力は欠かせないと思います。是非、英語を使い続けていっていただきたいですね。頑張ってください!

 

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