人文社会科学部卒業生 春山さん

 

「英語は実際に使用しながら身につけていこう」

 

今回の「先輩の声」は、人文社会科学部卒業生でもあるエンケイ株式会社 業務統括本部 人事グループの春山梨衣さんにお話をお聞きします。

haruyama

 

Q: 現在のお仕事についてお聞かせください。

春山さん(H):ENKEIは60年以上の歴史を持つ浜松の企業で、主に車のアルミホイルをつくり、フォーミュラ・ワン(F1)などにも提供しています。国内だけでなく海外にも16の拠点があります。最近では8割以上を海外で生産しています。海外拠点の従業員は主に現地の方ですが、日本人も現地に赴任して経営および技術指導にあたります。人材育成も兼ねて、就職後数年で海外に赴任する方もいます。私は人事グループで海外業務を担当し、海外赴任者のフォローを行っています。働き始めて3年目になります。

 

Q: 海外拠点のある地域を教えてください。

H: アメリカに3拠点あります。やはり、市場としてはアジアが大きな割合を占めるでしょうか。アジアの拠点はタイ、インドネシア、インド、中国、マレーシア、フィリピン、ベトナムの7カ国にあります。

 

Q: 現地の方とどのようにコミュニケーションをとっていますか。

H: 使用する言語は拠点がある国によると思います。例えば、タイでは現地の言語であるタイ語でコミュニケーションをとります。多くの場合、赴任してから現地でタイ語を学びます。若い方が言語の吸収が早いと言われ、赴任して2、3年で流暢に話せる方もいます。ですが先輩の方もタイ語でしっかりとコミュニケーションをとっています。

先日、私も監査のオブザーバーとしてインドネシアに行く機会がありました。英語が通じない方もいらっしゃいますので、インドネシア語でコミュニケーションをとる必要があります。私の場合、英語を使用したりインドネシア語ができる赴任者などを介したりして、現地の方とコミュニケーションを図りました。

 

Q: 日本国内で外国語(英語)を使用する機会はありますか。

H: 本部でも英語でコミュニケーションをとる機会はあります。営業であれば、海外からの電話に対応します。人事でも、国によっては現地の人とメールや電話でやり取りする場合が出てきます。その場合、主に英語を使用します。国内で監査が行われる場合は、海外からオブザーバーとして来日した社員と英語でコミュニケーションをとります。

月に一度開かれる経営会議は、たとえ出席者全員が日本人だけであっても、すべて英語で行われています。英語でプレゼンを行うことも多々あります。先ほど触れた監査も3ヶ月に1度行うのですが、そちらも全て英語を使用します。

 

Q: 仕事で英語を使用する機会が多いようですね。1年目はそのような環境をどのように捉えましたか。

H: 1年目は只々英語が多くて、圧倒されていました。でも、今はその環境に慣れて、英語への拒否感はなくなりました。

企業を取り巻く状況を考えれば、英語を使用する機会が増えることは当然のことなのかもしれません。1国で完結している仕事であれば、その国の言語だけで業務を行うこともできると思います。しかし、市場を外に求めていけば、必然的に母語以外の言語でコミュニケーションを図る必要性が生じてきます。コトバができなければ商売の相手にしてもらえません。

 

Q: 他に社内で英語力をアップさせる機会はあるのでしょうか。

H: 社員の多くは年4回、TOEIC IPテストを受験しています。なので、私も試験にむけて、少しずつ勉強しています。私の上司は始業前に来て勉強しています。

また、週に3回、ネイティブの先生による早朝英会話教室が開催されていて、TOEICコースか会話コース、どちらかを選んで参加することができます。

 

Q: 学生時代と比べて、TOEICに対する取り組み方に違いがありますか。

H: 受け取り方に違いが出てきたかもしれません。TOEIC Part7の長文問題では、頻繁にe-mailの文章問題が出てきます。以前は、「うわっ、英語の長文だ」と圧倒されていましたが、今はそのようなことはなくなりました。仕事で普段から英語のメールに接するので、実際にビジネスの世界で使用されている形だと受け入れるようになりました。大学のときは単に英語の問題として解いていた気がします。

 

Q: 話は遡りますが、学生時代はどのように英語に接していましたか。

H: 英語学習という意味では教養英語の授業を受講しただけでした。ただ、不定期ですが、留学生との交流ボランティアに参加し、アジアの留学生と英語でコミュニケーションをとろうと努力したことはあります。また、あるNPO法人が募集していたボランティアに参加し、タイに2週間行ったこともあります。現地に日本人もいましたが、タイや北米のボランティアの方とは英語でコミュニケーションをとりました。伝えたい内容がうまく伝わらず、気づいた時には話題が移ってしまい、もどかしさを感じたことを覚えています。今思えば、言葉だけにこだわらず、身振り手振りなども使用したら、もう少し簡単に伝えられたこともあったのかもしれません。

今もそのようなことはあります。意図が伝わらず会話が終わってしまうこともしばしば。ですが、学生時代と違う面も出てきました。昔は話しかけられれば応答するという受け身の態度でしたが、今はとりあえず話しかけてみようと、コミュニケーションに対して積極的になっている気がします。

 

Q: 学生時代もっとしておけばよかったと思うことはありますか。

H: 社会人になって、「英語は使用することで上達する」のだと思いました。学生時代に話すことをもっと訓練しておけばよかったです。留学も1つのきっかけになるのかもしれません。タイに行った際に英語ができないと痛感したので、帰国後、英語の勉強に取り組みました。TOEICの勉強をしたおかげで、ボキャブラリーは増えましたが、それが実際の会話で使えるようになったかと言われればNOですね。最終的に自分で発信できるところまでたどり着けることが理想です。

 

Q: 最後に、学生にアドバイスがありましたらお願いします。

H: 英語に関わらない学生は授業以外に接する機会が少ないため、積極的な学生と二分化してしまいがちです。でも、英語は「ツール」なので、使えるように努力することが大切です。これからの時代、社会に出れば、どの企業でも求められる力なのだと思います。今から英語を受け入れる体制を自分の中に作っていってください。英語が嫌だと拒絶するのではなく、「英語はツールである」ことを意識し、「使用しながら身につけていこう」と考えるようになれば、すばらしいと思います。

そのためには、思い切って海外に行ってみるのもよいかもしれません。海外に出てみると、英語を実際に使用する機会が生まれます。そこで「自分の英語力では駄目だ」と思い知り、(あきらめるのではなく)「使えるようにしよう」と思い直した時がスタートです。

私も学生としてタイに行った際、水を手にすることができませんでした。しかも2度も。機内のドリンクサービスで、「(カタカナ英語で)ウォータ・プリーズ」と注文したら、キャビンアテンダントがしばらく困ったあとに、コーラを出してきました。私は恥ずかしくて、もう一度言うことができず、そのときは黙ってコーラを飲みました(笑)。その後、タイのお店で注文した際に、「ウォータ」と再びオーダーすると、今度は大きなコーラがボンッと出てきました(笑)。さすがに、社会人としてインドネシアに行ったときは、成長できていたので、きちんとお水が出てきました。

英語に限らず言えば、学生時代の時間を有効に活用してください。人生経験を豊かにする経験、視野を広める経験をしてください。様々なことに取り組んで、自分の「引き出し」を増やしてください。企業のインターン等もよい経験です。外から見ていて見栄えがする仕事でも、実際に中を見せてもらったら、働く側からの新たな視点が持てます。

 

Q: お忙しいところ、ありがとうございました。

 

 

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