「SPODフォーラム2016~経験を学びに変える」に参加して

理学部 化学科 瓜谷眞裕

_SPODフォーラムは四国地区大学教職員能力開発ネットワーク(Shikoku Professional and Organizational Development Network in Higher Education, SPOD)主催の研修会で、「大学等の教職員が自らの能力開発のために役立つ、多種多様で質の高いFD/SDプログラムならびに組織を超えた持続的な相互交流・関係づくりの場の提供」を目的に掲げています。私は、平成28年8月24日から26日にかけて愛媛県松山市の愛媛大学城北キャンパスにおいて開かれたSPODフォーラムに参加しました。uritanisensei1

_SPODフォーラム2016には4つのイベント、教育プログラム、ポスターセッション、シンポジウム、そして情報交換会が組まれています。教育プログラムは講義とワークショップで合計37で、ひとつあたり2時間。内容によりSD、FD、SD・FD共通の3つに分かれています。私は、理系のFD活動に関心があったので、「理工系講義形式授業において学生の学習を促進する授業デザイン」と「ディープラーニングに誘うアクティブ・ラーニングの手法-物理、化学の実践例より-」の二つを受講しました。どちらも実践的な内容のワークショップです。理系科目の学習は専門的な知識の定着が目的です。私の場合、知識伝授の一方向的な講義になりがちでした。今回、これらのワークショップに参加し、理系科目であっても、さまざまな工夫があるのだという知ったことは収穫でした。さっそく使えそうなものを後期の授業に取り入れてみました。これからが楽しみです。uritanisensei2

_この他に、二つの科目を取りました。「ルーブリック評価入門-考える、つくる、活用する-」(FD)と「大学における障害学生支援とは?-障害者差別解消法と合理的配慮-」(SD)です。ルーブリックはパフォーマンス評価に用いられる方法です。3ポリシーの見直しなどの大学教育の改革と関連して注目されています。ルーブリックという名前だけは聞いてましたが、実際によく分かっていなかったので勉強のつもりで受講しました。講義とワークショップを通して大筋はよく理解できましたが、具体的なところはこれからの勉強が必要のようです。さて、後者についてです。皆さんは、このタイトルを見て違和感を感じなかったでしょうか?そうです。「障がい」ではなく「障害」と記されていることです。これは、ハンディキャップを持つ学生を取り巻く環境に害があるという考えによります。その環境にある障害を取り除いて、だれもが同じ景色を見られるようにしましょう、というわけです。大学に当てはめると、「障がい」を持つ学生が教育を受けられるようにする、ということです。言うほど簡単ではないでしょうが、まずは学生と話し合っていく場を大学側がもうけることです。大変ですが、多様性を認める寛容な仕組みを整備すれば、いずれそれが大学のステータスにもなる。そのように感じました。uritanisensei3

_SPODフォーラムは、職員が教員とほぼ同数というのが特徴です。職員がなぜ?と、最初は思ったのですが、二日目のシンポジウム「経験を学びに変える教育と能力開発」では私立大学の教務課長がシンポジストとして登壇し、職員が積極的に関わった教育活動の実践例を紹介していましたし、ポスターセッションでは、愛媛大学の図書館の職員チームによる発表「図書による啓発活動」が最優秀ポスター賞を受賞しました。また、教育プログラムのワークショップで同じグループになった職員は、例外なく全員が教育に高い意識を持っており、教員とは異なった視点からの見方が面白く、楽しく意見交換をしてきました。志を持った職員がいて、彼らの力が活かされた大学教育があるのだということを知ったのは今回の大きな収穫です。実践例はまだ限られているようですが、このような活動はもっと広まっても良いのではないか、そんな感想を持ちました。uritanisensei4

_今振り返ってみても、授業のヒントを得ただけでなく、啓発されることが多かった濃密な三日間でした。教員・職員の皆様もご参加されると良いのではないかと思いますし、この参加を促す仕組み・支援のさらなる充実を大学に望みたいものです。

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