CiNii Articles15分セミナーを試行して―平成27年度と28年度の実践より

 図書館情報課分館サービス係 渡邊 貴子

  平成27年度と28年度の2年間にわたり附属図書館浜松分館において「CiNii Articles15分セミナー」を実施した。この15分セミナーは、本学のオリジナル企画ではなく、京都大学吉田南総合図書館[i]さん(以下京都大学)で行なわれているものである。これまで注目し関心をもって拝見してきた。京都大学では、国立情報学研究所の論文を探すためのツール「CiNii Articles」[ii]だけでなく、複数のテーマでこの15分間のガイダンスが実施されている。学生が「15分のセミナーなら受講してみようかな」と思ってくれたら、という淡い期待をもって、本学においても実施することにした。

なぜ、セミナーを15分で実施するのか。それは、これまで図書館が実施してきたセミナーにおいて、学生の集中力が続かない様子を見てきたことが最大の理由である。個人差はあるものの多くの学生の集中力が続くのは、恐らく30分未満であろう。これは学生に限ったことではない。しかし図書館で実施しているセミナーのほとんどが講義の1コマを使っている。図書館のセミナーに講義の1コマをいただけるのはとてもありがたいが、「90分は長すぎるのではないか」と思ってきた。もし特定のテーマのポイントを押さえて、その内容を15分で教えることができれば、学生の負担はもちろんのこと図書館職員の時間的な負担をも軽減できる可能性がある。学生が15分という時間を許容してくれたら、京都大学のように複数のテーマでガイダンスを行う等、他の可能性も広がるのではないか、と考えてきた。

平成27年度は、12月にセミナーを1回行なった。多くの学生に関心をもってもらい、学生が自由に参加できることを目的に、場所は平成25年度に改築した附属図書館S-Port2階のグループでの学習や共同作業に最適なアクティブな学習スタイルに対応したラーニングエリアで実施した。そのエリアにある大型テレビの画面に、パワーポイントを映し出し、パワーポイントを配布資料とした。このエリアを選んだのは、学生の行き来が多く、学生が興味をもったら、自由に参加ができるので、飛び込み参加を期待してのことだった。それゆえ申し込みは、事前申込み不要、当日参加可とした。広報は、附属図書館のホームページに情報を掲載し、館内にポスターを掲示し、浜松キャンパスに所属する教員および学生に全学一斉メールで通知した。残念ながら、当日の受講希望者は1名だった。当日は館内放送でも周知し、セミナーを行なっていた周囲に多くの学生が学んでいたが、関心をもってもらうことができなかった。

平成28年度は、京都大学のガイダンス実施スケジュールも参考にし、実施スケジュールから見直した。実施時期を10月に変更し、実施期間も1週間を設定した。その期間の間、毎日16時5分から15分間セミナーを行なった。場所もカウンター付近で行なう予定だったが、結果的に受講希望者が多かったので、プレゼンが行なえる場所へ変更した。申し込みについても事前申込み優先としながら、できるだけ当日参加も可能とした。広報は、附属図書館のホームページに掲載し、館内にポスター掲示し、浜松キャンパスに所属する教員に全学一斉メールで通知した。その結果、平成28年度は、31名の受講希望者があった。教員がゼミ生に受講を促したケースが多く、またレポート作成の事前準備の一環として、教員が講義のなかで学生にセミナーの受講を促したケースもあった。実施したアンケート結果から、受講者は学部生だけでなく、大学院生も受講しており、内容、資料、実施時間、実施場所においてほぼ100%の満足が得られていた。自由記述欄には「OR検索、NOT検索を使っていなかったので、有効に使えるようにしたいと思った」「指導教員に教えてもらわなければ知らなかった」「英文もまとめて行なってもらえると効率が良い」等、まだまだ課題も多いことが見えてくる。実施回数や実施時期については「もっと長い期間、開催してほしい」「もっと早い時期に」という希望が複数あったので、今後、学生からの希望にそえるように検討したい。

現在は、試行の段階で、正式に実施することは決まっていないが、「15分」という時間の可能性を個人的には感じている。15分の中で教えるテーマのポイントをしぼり、必要なことを学生に伝えなければならない。教えるこちら側の力量も試される。今後も図書館職員として研鑽を積み、学生のニーズを的確に把握し、学生のためにできることを模索していきたい。

[i] 京都大学吉田南総合図書館

http://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/yoshidasouthlib/guidance/index.html

[ii] 国立情報学研究所

http://ci.nii.ac.jp/

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