英語授業におけるタスクの活用とその支援:第40回全国英語教育学会への参加より

天野修一(大学教育センター)

 2014年8月9、10日に徳島大学の常三島キャンパスにて開催された第40回全国英語教育学会(JASELE)徳島研究大会に参加しました。JASELEは全国に八つの地区学会(北海道、東北、関東甲信越、中部、関西、中国、四国、九州)を持つ日本で最も大きな規模を持つ英語教育関係学会の一つです。個人的には、一昨年の愛知、昨年の北海道に続き、3年連続4回目のJASELE参加となりました。このところよく参加するようになったのは、大学の先生方のみならず、小中高の先生方の発表が研究発表や事例報告、ポスター、ワークショップなど様々な形で拝聴できるというJASELEの特徴を魅力的だと感じるようになったためです。
 大会では二日間、いくつもの発表を拝聴いたしました。そのどれもが私自身の今後の教育や研究に示唆を得られるものばかりでしたが、最も印象に残ったのは福井高専の藤田先生による「タスクを活用した英語授業における学習者の英語運用能力と情意面の変容」というご発表でした。習熟度が低く、授業に消極的な高校生を対象に、英語運用能力を伸ばしつつ、積極的に英語を使おうとする態度を育成するにはどうすればよいか、という難しい問題に対して、タスクを活用したコミュニケーション活動中心の授業を行うことで対応しようと試みた実践研究です。実践の成果としては、生徒たちの能力認知の向上が確認されるなど英語使用に対する態度が概ね良い方向に変化し、運用能力の面では流暢さが大きく向上したということが報告されました。この成果ももちろん有意義なものですが、私が感銘を受けたのは、生徒がタスクに取り組む前の教員による支援の部分でした。支援の手法としては、スキーマ構築(語彙やトピックの導入、ブレインストーミング)、インプット処理(教員が口頭で手本を見せ、生徒は内容をメモ)、意識昂揚タスク(インプット処理で使用した英文を使用して、言語形式を学習)、事前準備時間(メインタスク前の準備時間の設定とその調整)が挙げられており、これらを巧みに組み合わせて授業に盛り込む手腕は、英語教員としての自分にとって示唆に富むものでした。
 大変残念なことに9日の夜から10日の午前中にかけて台風11号が徳島県を直撃したために、鉄道や高速道路などの交通機関が運休となり、やむなく参加や発表をキャンセルされた先生方も少なからずいらっしゃったようです。私自身も帰りに乗車予定だった高速バスが運休となり、徳島滞在を一日延長しなければなりませんでした。また大会スケジュールもいくつかの変更を余儀なくされるなどの影響がありました。そのような状況の中、発表予定の先生方の準備が無駄にならぬよう、発表の順序を調整するなどして対応された大会運営委員会の方々の努力に敬服いたしました。これに報いるよう、今後の授業改善や研究の進展に努めたいと思います。

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