「英語特別補習」1年目の成果と課題
髙瀬 祐子(大学教育センター)

今年度より静岡・浜松各キャンパスにおいて、学習支援を目的とした「英語特別補習」がスタートした。これは、履修登録や単位修得を求めない自由参加型の補習クラスであり、主に基礎的事項の復習やTOEIC対策等を目的とした時間として、各キャンパス週1コマ実施された。このような補習の時間が確保された背景には、現在の教養英語カリキュラムではTOEIC400点以下の学生が履修できる選択科目が少ないことが挙げられる。「英語特別補習」は、TOEIC400点以下の学生にも継続して英語を学ぶ機会を提供するという目的もあわせ持っている。1年間静岡キャンパスで「英語特別補習」を実施して感じた個人的な感想や反省を含め、今後の活用方法についても考えたい。
自由参加型の補習を実施する上で、実施する側の目標をどのように設定するかは重要なポイントである。大勢が参加することをめざすのであれば、多くの学生が参加できる日時に行い、それなりの広報活動も必要である。一方、少人数であれ参加する学生がいることが重要だと考えるのであれば、参加する学生のニーズに合った、満足度の高い時間を提供することが求められる。今年度は「英語特別補習」の実施方針について大学教育センター英語教員で十分に議論する時間が持てなかったが、初年度ということもあり、学生の動向を見ながら方向性を考えつつ、どのような形で実施するのがよいのか検討しながら行った。
担当教員としては、参加する学生数が少なくても、満足度の高い時間を提供することを目標に実施した。大勢が参加することを目標としなかった理由の一つとして、実施時間が挙げられる。静岡キャンパスでは毎週木曜日の5コマが「英語特別補習」として割り当てられていたが、木曜午後はほとんど授業がなく、学生にとってはサークル活動や部活動の時間である。また、サークルや部活に所属していない学生は、午前の授業後に帰宅するかアルバイトに行ってしまい、5コマ開始時間である16時頃まで学内に残っている学生は少ない。加えて、これまでも自由参加型の英語イベントを実施しているが、大勢集まったという事例はほとんどない。
実際に「英語特別補習」がスタートしてみると、参加人数は各回2~7人程度で、予想通り少人数での実施となった。しかし、英語の基礎を学びたいという学生から、TOEICで高得点取得することをめざした能力の高い学生まで、意欲的で熱心な学生が集まった。少人数での実施となったことによる利点として、学生の希望に沿った学習内容となるよう、臨機応変に対応することができた、英語学習のことだけでなく、留学や就職に向けての英語について、学生が教員に話しやすい空間となったこと等が挙げられる。
TOEIC400点以下の学生を主な対象者として想定していたが、実際にはすでに400点取得済みの1年生やTOEIC800点以上取得している3年生なども参加し、学部や学年を超えた交流もあった。参加人数という点では、決して満足できる数ではなく、学生への周知が不十分であった、実施日時が適当ではなかった等反省点は多々あるが、希望する学生に「英語学習の機会」と「英語教員に気軽に質問や相談ができる場」を提供するという点では有効であったと言える。
4月から新年度がスタートし、「英語特別補習」も2年目を迎える。学生が参加しやすい時間の確保は難しく、来年度も木曜の遅い時間での実施が予定されているが、より多くの学生が参加することをめざし、広報活動にも力を入れたいと思う。一方で、学年、学部やTOEICスコアに関わらず、「誰でも、いつでも、好きな時に」参加できる英語学習の機会を提供する場として、どのような周知の仕方や学習内容がよいのか、よりよい活用方法を検討したい。