【須藤智・大学教育センター】学生の主体的な学びを支援する環境構築について

学生の主体的な学びを支援する環境構築について

須藤智(大学教育センター)

 静岡大学の静岡キャンパスの図書館には,学生の授業外の学びを支援する場としてハーベストルームが設置されている。ハーベストルームを訪問すると,個人でコツコツ勉強をしている学生,授業の課題をグループで取り組んでいる学生,さらには,サークル活動の会議をしている学生グループなど,それぞれの目的で主体的に学ぶ姿,活動している姿を見ることができる。

 昨年度より,大学教育センターを中心にハーベストルーム内に,数学,コンピュータの使い方,学び方全般などの相談に対応する大学院生によるチューターの配置(チューターズルーム)を行った。チューターの利用率の詳細については今後報告するが,テスト前の時期などにはチューターへの相談する学生も増えてきている。しかし,現状のハーベストルームの学生の利用状況を見ていると,まだまだ個人・グループ内で閉じた学びであるようだ。ここから新しい人的ネットワークが生まれ,新しい知識にアクセスすることができる活気あふれる場所になっているとは言いがたい。

 平成261月に情報公開されたが,浜松キャンパスの附属図書館の2FStudens’ PORThttp://www.lib.shizuoka.ac.jp/top/?s-port)という学習スペースが設置される予定である。このStudents’ PORTには,『Students’ PORT構想が目指すのは、学生たちの<港>です。議論や協働作業などの能動的な学びが可能な環境や、その成果を発信できる活動拠点を整備します。そして、快適な学習空間であるとともに、人や物が行きかう<港>のように、新たな知識や人と出会う活気あふれる場所をめざします。(Webサイトより)』という目標が設定されている。具体的には,グループワークやワークショップが自由に開催できるスペースや,様々な研究活動を支援する機器などを配置した大学院生向けのミーティングスペースが設定される。このStudents’ PORTは,静岡キャンパスのハーベストルームと比較すると,より広く,様々な機器が設置され様々な学習スタイルに対応できると考えられる。

 学生のみなさんには,今後,この静岡と浜松の2つの学習スペースを「新しい人的ネットワークが生まれ,新しい知識にアクセスする場」とするために,皆さんのアイディアで主体的に利用していって欲しい(もちろん,大学の教職員もアイディアを出していくが)。例えば,普段,授業では扱わない新しい事柄などを,学生同士の力を合わせて一緒に学んでいくような学生企画によるワークショップやオープンな勉強会の開催などを期待したい。やってみたいけれども,どうやって企画すれば良いのか分からない,アイディアがあるのだけれども,一人でやるのは・・・という場合は,(fd[a]hedc.shizuoka.ac.jp)まで連絡いただければ協力したいと思うので,是非連絡を頂きたい。