共通教育棟防災訓練実施報告

(教務チーム副課長 水野 圭一)

 東海地域に大規模地震が突発的に発生することを想定して、地震防災体制への速やかな移行と各種訓練等を実施し、防災意識の高揚を図るとともに、教職員及び学生等の生命身体の安全を図ることを目的とした、全学的規模による地震防災訓練が11月8日(月)に行われました。

 共通教育棟でも地震発生時の対応と避難訓練を実施し、教職員80名、学生1,184名が参加しました。参加学生には留学生や一般学生と一緒に授業を受けている市民開放受講生も含まれ、これだけの人数の割には訓練開始後15分で避難先のサッカー場への避難が完了しました。また、「避難学生確認票」を授業中の学生に配布・記入してもらい、サッカー場にて回収しました。詳細な分析結果は別な機会があればと思いますが、今回はその「避難学生確認票」の集計結果をもとに簡単に報告させていただきます。

 

1.「避難学生確認票」の様式
 昨年度までの様式に住居区分と住所の項目を追加し、「①自宅、下宿(寮)又は知人の家にすぐ帰る」を選択した際に避難後の所在地についても回答してもらうこととしました。同様の様式は、教育学部及び農学部の防災訓練でも学生に配布・回収されているようです。

避難学生確認表

2.集計結果

今回、集計対象としたのは避難訓練参加学生1,184名中、学部在籍の正規生で有効回答のあった1,145名について集計しました。住居区分では下宿アパートと雄萌寮・片山寮が全体の3/4で自宅通学が1/4となっています。表からも推測できますが、データを個別に調べますと当然ながら下宿アパートはほとんどが駿河区に居住し、葵区、清水区、その他は自宅通学生となっています。また、「大学に残る」と回答した学生の居住地区分が「その他」の学生77名のほとんどは県内からの通学ですが、中には横浜から通学している学生もいました。
_地震発生後の行動予定では、「自宅、下宿(寮)又は知人の家にすぐ帰る」が482名で最も多くなっていますが、「大学に残る」と「一度、自宅や下宿に戻り、必要な物を持って、すぐに大学に戻る」も合わせて537名となっており、訓練に参加した学生の半数近くが、一時的にせよ、大学に留まったり再び大学へ戻ると回答しています。現在は携帯電話やメールの普及により離れていても友人とのコミュニケーションは活発におこなわれていますが、従来のような大家さんが同居あるいはすぐ近くに大家さんがいるような下宿ではなく、ほとんどの場合がワンルームアパート形式になったため、下宿仲間同志、近隣同志の関係も希薄になり、災害時のような場合には友人同志で実際に顔と顔を合わせての共有感覚が求められるのかもしれません。
集計結果からは、自宅通学生の場合に大学に留まる割合が高いことと、「自宅、下宿(寮)又は知人の家にすぐ帰る」と回答した学生の中にも、地震発生時の交通機関の運行状況や通学手段によってはいわゆる帰宅難民となり、大学に留まる可能性もあります。実際に、これに回答した個々のデータを調べますと、自宅が県外の学生も多く含まれておりました。 

 

防災訓練集計結果

 3.今後の対応

 このような状況を考慮しますと、共通教育棟防災訓練対象学生以外にも大谷キャンパス各学部の防災訓練参加学生の中には同様の回答が想定されますので、想定される地震発生時にはかなりの学生が大学に留まることになるのではないかと推測されます。
_静岡市防災対策課のWebサイトによれば、大谷キャンパスは大谷小学校、片山公園、静岡南高校とともに大谷地区の一次避難地に指定されており、避難所は体育館が指定されていますが、同サイトによればその収容可能人数は985人とされています。本学の学生以外に近隣の市民も大学に一時避難するようになりますので相当数の人数になるのではないかと思われます。今後は避難訓練と合わせて実際に地震が発生した際の避難後の想定される対応についても検討が必要かもしれません。
_なお、実施しました防災訓練では、昨年に引き続いて安否確認訓練も実施しました。本学情報基盤センターが運用する安否情報システムにより、地震が発生した際の自分の安否情報を登録することで、学生・教職員の安否を確認する一つの手段になります。実際に地震が起きた場合には、訓練時の「避難学生確認票」のようなペーパーを個々の学生に配布することは現実的ではありませんので、この安否情報システムが非常に有効になるかと思います。安否情報システムのさらなる利用促進、機能向上が期待されます。