不正行為防止ミニ研修会に参加して

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翟勇(大学教育センター・講師)
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 私は2013年度後期に開講された「世界のことばと文化」を担当いたしました。二つのクラスがあり、131人と112人の多人数の授業でした。毎回の出席確認とコメントのフィードバックに苦労しました。そのような中で、出席確認を兼ねたコメントペーパーの中に代筆の可能性があるものが出てきました。どうすればいいのか悩んでいたところ、「不正行為防止ミニ研修会」のお知らせがあり、参加しました。
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研修会は、大人数の講義(80人超)における「代返」や試験時のカンニングなどの不正行為防止をテーマにしていました。講師である佐藤先生、坂井先生、須藤先生から、一斉試験でのカンニングや日常授業の「代返」やレポートの剽窃を防止するための様々な方法の紹介があり、非常にためになりました。
 佐藤先生から不正行為の具体的内容について説明がありました。また、不正行為のデメリットについて、初回授業時に徹底的に説明し、中間テスト前、試験前にも徹底的にアナウンスするべきであるということや、三つの代筆を防止する方法を紹介していただきました。一つはコメントペーパーです。毎回コメントペーパーの隅にマジックを塗る、コメントペーパーは教員の近くの机におく、「よくわかった」「興味深かった」など1行の短い文は書いたものとして認めない、などの方法を紹介していただきました。二つ目は出席表です。名前を2度書かせることで心理的負担になり、代筆予防になります。三つ目は「大福帳」です。毎回学生は、同じコメントペーパーをつかうので、代筆ができなくなります。
 坂井先生は、学生たちの実態を紹介し、「カンニングがしにくい」環境作りや「カンニングの無意味化」の試みが大切であると強調されました。カンニングをしにくくする環境作りについて、「座席数に余裕を持たせる」、「試験座席を指定する」、「机上の書き込みをチェックさせる」、「机上に出すものの制限」、「外部とのやりとりをさせない」、「時間に対する問題量を多くする」、「監督者のふるまい」などの方法を紹介していただきました。カンニングを無意味化する試みとして、「持ち込み資料を許可する」、「分散継続型の学習を促すため、形成的評価(期中での評価)を取り入れる」が挙げられました。
 須藤先生からは、レポートの剽窃の防止・出席確認のツールを紹介していただきました。Webサイトからの剽窃、学生同士のレポートの剽窃を判定可能なソフト「コピぺルナー」の実際の操作方法の説明がありました。また、代返を防止するための出席確認ツールについて、ICカードリーダー、マークシートなどを紹介していただきました。
三名の先生方は長年の経験により蓄積した貴重な不正行為防止方法を紹介してくださいました。これからの授業に、これらの方法を活かしていきます。