GPAについて(教員向け)

静岡大学では,2009年度より(当該年度以降の成績について)新しい成績評価の仕組み「GPA制度」を導入しています。

  1. GPA制度とは何ですか?
  2. GPA制度の目的は何ですか?
  3. 履修取消制度とは何ですか?
  4. 科目を履修するにあたって留意すべきこと
  5. GPA算定の対象にならない科
  6. functional GPA算定の例示
  7. FAQ よくある質問とそれに対する回答

1.GPA制度とは何ですか?

以前の成績評価は,秀・優・良・可・不可の5段階のグレード評価のみでした。GPA制度はこれに加えて、それらのグレードの背後でその区分けの根拠になっている評点(ポイント)も成績評価として開示し、その評点について履修した卒業要件科目各々の単位の大きさを加味した総合的な成績指標値Grade Point Averageを算定し、それを活用する仕組みです。

グレードの背後にある点数とは何ですか

各科目の5段階のグレード評価は100点満点の成績評点区分にもとづき、つぎのように定められています。

秀  90点以上
優  80点以上90点未満
良  70点以上80点未満
可  60点以上70点未満
不可      60点未満

この原成績の評点がグレードの背後で等級分けの根拠になっている点数です。この各科目の成績評点をつぎの式で変換した値を各科目のグレードポイント(GP)と呼びます。

GP = ( 成績評点 – 55 ) / 10 ……(1)
(ただしGP < 0.5はGP=0.0とする)

GPA(グレードポイントアベレージ)は履修した各科目のGPにその科目の単位数を乗じた値の合計値を履修総単位数で除した値になります。すなわち、

GPA = Σ(GP × 当該科目の単位数) / 履修総単位数 ……(2)

原成績の値をGPに変換するのは、なぜ ?

多くのGPA制度では秀を4、優3、良2、可1,不可0というGPを与え、(2)式でGPAを求めています。そのため、そのGP(GPA)値と互換性をとり、GPA制度全体のあり方を損ねないためです。

なぜ 一般的な方法を採らないのですか ?

最も重要な点です。成績のグレード評価は上に示したように一定の点数区間を表すもので「点」ではありません。これに数値を当てて点にしてしまい、単位数をかけたり、合計して割ったりすると、みなさんの獲得した原成績の評点は別の意味をもった点数に変化してしまいます。
簡単にいえば、各グレードの区間内で高い点をとった人ほど点数が下がり損をし、低い点をとった人ほど点数が上がり得をします。各グレードの境界付近での近い関係は大きな差異をもった関係に変化してしまいます。また、秀グレードではパーフェクトなパフォーマンスをする意味がなくなり、90点をとれば100点をとったことと同等になってしまいます。これらが重層するGPAの成績順位は予測不可能なかたちで原成績での成績順位と違ってしまいます。
これではせっかく厳正、厳格な成績評価をしようとしてGPAを取り入れても、かえって信頼性のない成績を出すことになってしまい、その値を有効に使えなくなります。何よりみなさんの学習意欲を損なうことになってしまうでしょう。
そこで静岡大学では上記(1)式を用いてみなさんの原成績を一次変換することでみなさんが獲得したリアルな成績を誤差なくGPに置き換え、しかもこれまでのGPAの全体体系に沿った値を出す方法を採りました。これを十全に機能できるGPAという意味で、正式にはfunctional GPA(略記 fGPA)と呼びます。

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2.GPA制度の目的は何ですか ?

この制度は学生、教員、自大学、大学全体、対社会に向けていろいろな目的をもっています。ここでは学生のみなさんにとって、とりわけだいじと考えられる主目的を3つあげます。

1.学ぶ意欲が増します
個々の科目における学習改善努力が成績に反映しやすくなります。これまでは成績評価が5段階で粗かったため、少しの努力のほどが成績になかなか反映されませんでした。
fGPAでは科目の試験やレポートの素点評価がリニアに成績に反映するので、TOEIC試験の成績のように、学習努力が成績差異としてはっきりみえるようになります。
よりよい成績をとることの動機が高まり、授業への積極的な参加意欲が増すことになるでしょう。また、単に単位の取得だけでなく、よりよい成績をとることの意味が実感できるようになります。

2.不合格を避け、しっかり履修
GPAでは不合格(不可評価)になると、その科目のGPは0で、しかもGPA算定の分母にはその科目の単位数が加算されます(GPAの算定方法参照)。そのため、不可をとると最終的なGPA得点に大きなダメージを負います。
これまでのように不合格科目は成績証明書に記載されず、必修科目でないかぎり何の損失も被らないというようなことはなくなります。また、一度不可になった科目を再履修して合格の成績をとっても、過去の不可評価は消えずに残り、新たな成績と共にGPA算定に含められます。
したがって、履修した科目は不合格にならないよう気をつけることがだいじになります。そのために、科目履修の際には必要以上に多くの科目を履修してあとで負担にならないよう十分注意し、計画的な履修をすることがたいせつになります。

3.自分の場所を知る
学期ごとに各科目のGPやGPA値を確認しながら、学内での自分の成績の相対的な位置づけを知っていくことができます。
その他、今後、授業料免除や奨学金、その他の種々の学内選考の際の基準指標に用いるなど、さまざまなかたちでGPA値が使われることになるはずです。
また、就職や留学、進学など対外的な場面で、この値が求められてもすぐに対応できることになります。

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3.履修取消制度とは何ですか ?

履修取消制度とは,一旦履修登録した科目を履修期間中の決められた期間に申告手続きをとることによって、履修を取り消せる制度のことです。
履修登録をして授業に出たものの,授業の内容が自分が学びたい内容と違っていたとか,授業に十分ついていくことができないとか、単位修得に必要とされる授業時間外の学習ができないことがわかった、などといった理由から履修を取り消すことができます。

注意事項

★この手続きをせず,自ら履修を放棄した場合は,科目の成績は不合格、F(不可)評価(GP=0)になります。GPAの値に大きな影響が及びますので十分注意してください。
★一度履修取消の申告をした科目は、その学期中に履修を復活することはできません。
★当然のことですが履修取消申告期間は各学期はじめの履修登録期間とは異なりますから、新たな履修登録はできません。

履修取消申告手続きの期間(毎年確認してください)

前期:5月中の一定期間
後期:11月中の一定期間

・通年科目については上記どちらの期間でも取消できます。
・集中授業については、原則として期間後の履修取消は認めていません。

履修取消手続の方法

毎期告知される所定の期間に,学務情報システムから履修取り消しをしてください。あるいは,所属学部の学(教)務係や教務課窓口での手続きを求められることがあります。

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4.科目を履修するにあたって留意すべきこと

GPA制度下では、とくに次の4点に留意して科目を履修するようにしてください。

1.必要以上に多くの科目を履修しない
成績が不可になり、単位が取得できないとGP=0で、しかもその科目の単位数がGPA算定に組み込まれます。GPAの値は大きな損失を負います。したがって、必要以上に多くの履修をして全体の学修、ひいては成績に悪影響を及ぼすような履修の仕方は控えたほうが賢明です。

2.履修取消制度に頼らないようにする
このサイトで説明してあるように、履修登録後、 前期5月、後期11月の一定期間に「履修取消申告手続き」をとることにより、登録した科目の履修を取り消すことができます。しかし、これは「どうしても履修を続けていくことが困難」と判断された場合の手段と考えてください。履修取消は一定期間に確実な事務手続きをしなければならないことと、一度取り消した科目は復活できないといったこともあります。したがって、この制度を前提にした履修をすることは避けて、学期はじめの履修登録の際にしっかりとした履修計画を立てたほうが賢明です。

3.GPA制度の導入により成績が厳密になる傾向があるので注意する
一般にGPA制度が導入された大学では、教員の成績評価に対する見方が細かくなったり、厳しくなったり、これまで以上に一層、気遣うようになる傾向が認められています。一般的に「甘い」と思われることがあった大学の成績評価がそうでもなくなってきているということです。具体的には試験の仕方がかわったり、レポートの回数が多かったり、採点の仕方が厳しかったりするかもしれません。この点、授業に積極的に参加し、学修するようにしてください。

4.GPAは今後、いろいろな場面で参照利用されていくことになる
現在、GPAの値が,奨学金の貸与資格や授業料免除、表彰、各種学内選考の際の指標や条件、科目の履修にあたっての条件などに利用されています。また、転学や大学院受験、留学、あるいは就職の際に相手先からGPAのスコアが求められることも多くなってきました。したがって、先々のことを考慮しつつ、よい成績をとっていくことに留意することが、今まで以上にたいせつになるといえそうです。

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5.GPA算定の対象にならない科目

つぎの科目はGPA算定に含まれません

1 2008年度以前に履修した科目

2 成績評点を示さず,合否のみでの評定した科目、(他大学編入などに伴う既修得)単位の認定や修了の判定によって単位を修得した科目

3 各学部のカリキュラムで卒業要件科目でない科目、たとえば教職や学芸員関連など資格取得のために設定された科目

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6.functional GPA算定の例示

数科目の例を使って、グレードポイントとそのアベレージがどのように求められるのかを示します。
ここでは話を簡単にするために、5科目17単位分の例でGPA算定の実際をシミュレートします。

科目名   単位数 成績評点  評定   GP  GP×単位数
地学概論   2    84   優(A) 2.90 5.80
地学     2    92   秀(S) 3,70 7.40
地学演習   4    50  不可(F) 0.00 0.00
地学実験   1    66   可(C) 1.10 1.10
卒業研究   8    70   良(B) 1.50 12.00
計      17               26.30

5カラム目のGP(グレードポイント)は次式で求めます。成績評点は100点満点ですが、科目によっては小数点以下の値をもった評価もありえます。

GP = ( 成績評点 – 55 ) / 10
(ただしGP < 0.5はGP=0.0とする)

最後に、
GPA = Σ(GP × 当該科目の単位数) / 履修総単位数

ですので、上例では、
GPA = 26.30 / 17
で、GPAの値は1.547となります。

★留意点
・上例のGPA1.547という値は段階評定でいえば、良のゾーンの下限近くに相当します。ですから、上例は全体としてそれほどよろしくない成績の例です。
・上例では地学演習(通年4単位)で不合格点をとっているため、GPが0となり、しかも単位数が相対的に大きかった科目であるため、GPAが大きく損失しています。仮に、この科目で80点をとっていれば、GPAは2.135でした。
・ちなみに、よく学ばれて各科目で比較的よい成績をとった好ましい例もシミュレーションしておきましょう。

科目名   単位数 成績評点  評定   GP  GP×単位数
地学概論   2    84   優(A) 2.90 5.80
地学     2    95   秀(S) 4.00 8.00
地学演習   4    80   優(A) 2.50 10.00
地学実験   1    90   秀(S) 3.50 3.50
卒業研究   8    85   優(A) 3.00 24.00
計      17               51.30

GPA = 51.30 / 17 = 3.017

米国の損保会社にはたとえば、FarmersのようにGPAが3.0以上の成績をもつ学生の自動車保険料を25%割引にするなどの特典を設定しているところがあります。この値がもつ社会的信用価値の一面をあらわしています。大学の成績など社会ではほとんど通用しないといわれていた20世紀とはだいぶ様子が違ってきました。

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7.FAQ よくある質問とそれに対する回答

Q 一度不可になった科目を再履修して合格の成績をとっても、過去の不可評価が消えずに残り、新たな成績と共にGPA算定に含められるのはなぜですか?
A GPA評価は成績評価に単位の意味を実質化させる制度でもあります。単位数には所要学習時間の意味があります。したがって、不合格科目の再履修によって得た成績は、その科目の不合格時の単位数を加えた学習時間を費やして得た成績として証明されることになります。

Q 合否2値で成績が出ている科目はどういう扱いになりますか。
A GPへの換算はせず、GPA算定にも組み込みません。編入に伴う他大学科目の単位認定科目の場合も同様の扱いです。

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