(プレスリリース)コミュニケーションロボットの共創デザインの研究を開始します
2022/09/22
国立大学法人静岡大学(静岡県静岡市、学長:日詰 一幸、以下「静岡大学」)は、株式会社KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長:中村 元、以下「KDDI総合研究所」)、および株式会社パートナーズ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:盛田 哲平、以下「パートナーズ」)と、超高齢社会課題研究所の研究テーマである、超高齢社会でのモノやサービスの共創デザイン手法の研究開発の一環で、コミュニケーションロボットの共創デザインの研究開発において連携し、研究を開始します。
1.背景
超高齢社会やSociety5.0を背景に社会でのモノやサービス(以下、道具)へのニーズは多様化しており、多様なニーズに応えられる道具をどのようにデザインしていけばよいのかが課題となっています。多様なニーズを道具のデザインに反映させるデザイン手法として、市民、開発者、研究者らが協働し民主的にデザインを進める共創デザインが注目されています。しかし、日本の超高齢社会の中でどのように共創デザインを実践すれば良いのかについては明らかではなく、その方法論が課題となっています。
以上の背景を踏まえ、静岡大学とKDDI総合研究所が設置した超高齢社会課題研究所において、実際に特定の道具を対象とした共創デザインを静岡県内の市民の方々のご協力を得て実践し、超高齢社会のなかでの共創デザインの手法のモデルを見いだす研究を開始します。
2.研究の概要
研究では、実際に特定の道具を対象に、市民、開発者、研究者で協働する共創サークルを立ち上げ、そのサークル活動のなかで共創デザインを実践します。初年度は、コミュニケーションロボット「おしゃべりけんちゃん」をパートナーズが提供し、サークル活動に参加する市民の方々に日常的に利用する機会を設定し、そこでの様々な利用ニーズや利用事例を共有しながら日常生活を豊かにするコミュニケーションロボットのデザインについて共創デザインを実践します。この実践を通して、超高齢社会での共創デザインの方法論における新たな知見を見いだします。
3.役割分担
以下の3社での合意の元、産学連携で研究をすすめます。
・静岡大学・KDDI総合研究所
超高齢社会における共創デザインの実践モデルの開発
共創デザインの実践活動の実施
静岡大学 融合・グローバル領域 須藤智准教授および、KDDI総合研究所 新井田統(静岡大学客員教授)・大木朱美(静岡大学客員研究員)による認知科学・認知工学的研究の知見の提供
・パートナーズ社
「おしゃべりけんちゃん」の機材提供
共創デザインの活動への参加
4.今後について
社会課題解決の手法として、様々なステークホルダーが参加し協働して解決を目指すリビング・ラボという手法が注目されています。今後、本研究で得られた知見をもとに、超高齢社会での課題解決の手法としてリビング・ラボにおける共創デザインの活動が実際に社会課題を解決可能かどうか検討を進めます。
※リビング・ラボ(Living Lab)は,日常生活や暮らしの問題,社会課題の解決を目指した空間やそこでの諸活動のこと
5. 問い合わせ先
静岡大学 大学教育センター 准教授 須藤智
suto.satoru[a]shizuoka.ac.jp [a]→@