「ESPⅠ(留学)」を教えて思う事 ~ その1 ~
「ESPⅠ(留学)」を教えて思う事 ~ その1 ~
大学教育センター 山本好比古
2020年度から教養英語の新カリが始まり、国際連携推進機構の先生方とのコラボによる英語授業「ESPⅠ(留学)」も始まりました。実際にこの授業を担当させてもらい、予想していたよりも留学を希望している学生が多かった事に驚きを感じたと同時に、自身の留学時代を懐かしく思い出しました。留学と一言に言っても、異文化体験的なものから現地の大学の学生と混ざって大学の授業を受講するものまで色々あると思いますが、今回は、語学留学に関して、自身が経験した留学の中の1つで、長期語学留学経験(9ヶ月)を含めて紹介させて頂きたいと思います。
基本語学留学では、短期・長期に関わらず、学びたい言語を現地の語学学校で学びます。私の場合、海外旅行を経験せずに、いきなり語学留学をしてしまいましたので、パスポートを取るところから始まりました。渡航先は、オーストラリアのNSW州にあるWagga Waggaという田舎町にあるチャールズスタート大学付属の語学学校でした。オーストラリアを選んだ理由は、安全な国のイメージがあり、語学学校を選んだ理由は、「日本人が少なそう」ということと、「大学附属の学校だったので沢山英語が勉強できそう」という理由で選びました。
語学留学なので、基本地元の人(英語が母語の人)はクラスにはいません。クラスメイトは海外から英語を学びに来ている人達で、自分がいた当時は韓国、インドネシア、台湾などのアジア圏の人達が多かったです。もちろん日本人もいました。なので、現地の人達と友達になりたければ、授業外で友達になる必要があります。例えば、ホームステイを滞在先にするとか、私が通っていた学校は大学内にあったので、学生寮も利用できましたので、学生寮に住むとか、現地の大学生で日本語を勉強している人に日本語を教える代わりに、英語を教えてもらうセッションなどを通して知り合うことになります。
私が通っていた語学学校の授業は、大学進学準備コースでしたので、英語でのプレゼン、レポートの書き方、図書館の使い方、授業でのノートの取り方、ディスカッションの仕方などを学びましたが、学校によって色々と異なる英語授業を提供しているので、自分に合った学習内容の学校を選択する事が重要になってきます。
オーストラリアに語学留学と言えば、シドニーやメルボルンやブリスベンなどの都市部への留学が人気あるかと思います。都市部での滞在と私が滞在した地方の小さな町での滞在のどちらがお勧めなのかは、本人次第と言えます。都市部では生活費などが高くなりますが、週末には、ラグビー観戦、フリーマーケットでの買い物、カフェやレストランなどのエンターテイメントが充実しているので、こうしたエンターテイメントも楽しみたい人は都市部の学校は良いでしょう。私の場合は地方の田舎町でしたので、週末はホストファミリー宅でホストと過ごす事が多く、庭でBBQをしたり、ホストが友達の家に出かける時には、一緒に連れていってもらったり、テレビでラグビーや映画やドラマを一緒に見たりして、のんびりした時間を過ごしていましたので、のんびりした生活が好な人は田舎での生活をするのも良いでしょう。
語学留学と言うと、どうしても語学力を高める事に意識がいってしまいがちですが、留学先で体験できる文化等も貴重な体験となる事は間違いありません。2019年に元メジャーリーガーのイチロー選手が引退されました。その時の引退記者会見で、彼は、
“・・・僕はアメリカに来て、外国人になった事・・・。この事は・・・、外国人になった事で、人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今まで無かった自分が現れたんですよね・・・。この体験というのは・・・、本を読んだり、情報をとる事はできたとしても、(実際に)体験しないと自分の中では生まれないので・・・”
とおっしゃっていたのですが、私自身も、オーストラリア・ニュージーランドの留学を経験して、イチロー選手のこの言葉に大変共感しています。学生の皆さんにも、学生のうちにぜひ海外で色々な経験をして欲しいなと思っていたりしています。