
【現在の業務】保守と開発の両面から支える
現在の職場での役割や担当プロジェクトについて教えてください。
企業の顧客管理システムの保守(稼働中のシステムの維持)業務が主で、日々の業務としては、毎日稼働しているシステムでエラーが生じた時、顧客や契約情報のデータベースを検索してエラー原因を精査したり、問い合わせ時間からアクセスログを解析して、操作時の通信状況等から原因を調査したりしています。新規の機能やプロジェクトが追加される場合や、既存システムの改修のタイミングなどで、開発業務に携わることもあります。
現在の業務で最もやりがいを感じる部分は何ですか?
開発業務では、自分で設計したプログラムが一通り想定通りに動いたときにやりがいを感じました。まだ少ししか開発を担当したことがありませんが、コードを書いたり、よりよいまとめ方を検討したり、とても楽しい時間でした。
開発外では、保守業務のエラー対応等の調査で、調査担当の方から対象データの取得を依頼された際に、依頼されたデータのみを渡すのではなく、依頼された部分と、自分が分かる範囲の、それに紐づいた他のデータを合わせて用意するようにしました。このように自分で考えて付け加えた点について気付いてもらえただけでなく、明確な言葉にして褒めていただけた時に、大変やりがいを感じるとともに、周りの人に恵まれていると感じ、自分もそういった部分に気付ける先輩になりたいと思いました。調査には深い知識が必要で、まだ経験が浅いうちは難しくても、データ収集等、自分ができることでお手伝いしながら、徐々に分かる範囲を増やしていきたいと思います。
(チームでの)仕事で特に大切にしていることはありますか?
相手から何か質問された際に、ストレートに考えて心当たりがなくても、類似した内容がないか記憶をたどってみることです。質問に即座に回答できることも重要ですが、本当に自分が経験したことや残したメモの中に相手が欲しい回答がないか検討します。直接質問に対する回答ではなくても、何か関係あるものだと相手にとってヒントになったりすることがあるので、どういう質問なのかキーワードを聞くようにしています。
また、分からないことがあった際に、詰まった部分だけを聞くのでなく、経緯とそこまでに試したことと合わせて伝えるように心がけています。答える側として、説明しなくていい部分がはっきりわかって時短になると教えてもらい、より意識していますが、質問と説明が冗長と指摘を受けたので、日々改善策を模索中です。現在心がけているのは、ピンポイントで質問を記述したのち、経緯や意図を説明する形です。
【大学での学び】基礎から実践までの積み重ね
大学ではどのような知識やスキルを学びましたか?
大学入学前には、WordやExcelにしか触れたことがなかったため、プログラミングの基礎的な書き方から身に付けました。データベース設計やSQL、ネットワーク知識を、テキストだけでなく実践しながら学習できました。また、セキュリティに対する感覚は大学時代のセキュリティ教育で基礎が築けていると、会社のセキュリティ教育を受講していて感じます。授業外では、オンラインではありますが何度か研究発表を経たことによって、発表資料作成の流れや発表のノウハウが身に付きました。
その学びは現在の業務でどのように役立っていますか?
チームでの開発時には、設計通り動くコードを自由に書くのではなく、変数名やメソッドの単位など、コード規約や既存プログラムにならうことが基本です。既存システムのどこを参考にしたらいいのか読み取る際には、大学時代、先輩から引き継いだ研究のシステムがコードとどう紐づいているかを読み解いた経験が活きています。データベースの基礎的な部分を実践しながら学習できたことで、既存システムの処理を解析する際や、依頼された内容に適したSQL作成に役立っています。
チーム内の発表や、新人研修で学んだ内容を軽くまとめた発表で、出来を褒めていただいた機会が何度かあり、研究発表の経験が活きていると自信につながりました。また、他大学との共同研究にシステム開発担当として従事しており、大学教授と研究関連のメールを多くやり取りしていた経験が活き、ビジネス研修でメール文に高評価をいただきました。ただ、教授とのやり取りで使用する文面はビジネスメールとしては固すぎるため、過剰な敬語表現は避けつつも、相手に丁寧さが伝わる文章を心がけています。
【キャリアの道のりと経験】自動化プロジェクトで得た自信
卒業後、どのような道を歩んできましたか?
在学時にインターンシップと面談を経て今の会社から内定を頂き、卒業後はそのまま就職しました。入社して3カ月は会社の方針で新人研修に参加し、マナー研修で名刺の渡し方や服装などビジネスの基礎的な知識を学んだあと、Linux、SQL、Javaなど汎用的なプログラムで、プログラミングの技術を学びました。研修の後、今の部署に配属が決まり、今年の7月で3年目に入りました。
キャリアの中で特に印象に残っているプロジェクトや出来事はありますか?
直近の自分にとって最も大きな仕事だったこともありますが、既存の手作業を自動化するプロジェクトです。すでに明確な手順が定義されていること、他作業者のタスクとの兼ね合いから、難しい部分を先輩にフォローしていただきつつ、私がメインで作業することに決まりました。手作業ではExcelのフィルタ設定で判定していた条件を、プログラムに起こす際に、条件式として分割して定義した点が一番難しかったです。手作業の処理結果と、自分が作成したプログラムの実行結果で、想定通り全く同じ結果が得られたとき、とても達成感を感じました。既存作業におけるデータベース定義をまとめたり、手作業の手順との関係を書き起こしたり、新規部分について同グループ他社の担当者の方と検討したり、初めての経験のほかにも、配属されてから少しずつ関わってきたことの集大成といった感覚がありました。テストケースやテストデータの作成といった作業で、コードミスや設計ミスが見つかった際の、緊張と同時に、ここで見つかってよかった、という安心感や、無事に初稼働まですべて完了した際のやりがいなど、忙しくも充実した期間でした。
管理部への調整や他企業との連携、細かい仕様の検討部分といった、他社担当と話し合う場面のほか、逆に自社内で決めるべき箇所の相談など、先輩に大いに助けていただきながら開発を進めることができたことが、今回の業務において大変幸運なことだったと感じます。
【今後の計画と将来の夢】経験を次世代へつなぐ
今後、どのようなことに挑戦したいと考えていますか?
この業界を目指すようになってから、「設計から開発までこなせるSEになること」を目標としていました。今回、決して1人ではありませんでしたが、すべての工程にメインで携わりながら完遂することができ、目標の達成に近づいたと考えています。今後は、今回フォロー頂いた部分も対処できるようになることはもちろん、手助けいただいた部分やアドバイスを、次の世代に自分が返せるようになっていきたいです。
将来的な夢や目標があれば教えてください。
学生時代は、勉強や研究に集中させてもらっていたこともあり、自分で稼いだお金を使えるようになったのが社会人になってからでした。それまでは、趣味に好きなだけお金を使えるようになりたい、と漠然とした夢を持っていましたが、現在では、趣味を楽しみつつ、自分で定めた貯金額を保つことを目標としています。
【メッセージ】
数理・データサイエンス・AI分野を目指す若い世代に向けてメッセージをお願いします。
この分野は、システム関係の仕事に進んだとき、他分野に比べて大学時代に学んだことが直接役に立つ分野といえます。個人の事例になりますが、卒業研究のシステム開発時に学習したDB設計・SQL知識、授業で学習したJavaプログラミング知識は、そのまま業務に役立っています。研究等でメインとして使用していたプログラミング言語が、バージョンや環境も同じままで現場でも使われていることは少ないですが、触ったことがあるということは大きなアドバンテージになります。また、異なる言語でも考え方や定義されている関数などが共通していることが多いため、いろいろな言語に触れて知識を付けておくと、いろいろなプロジェクトに柔軟に対応できる人材になれるのでは、と思います。
ダイバーシティ推進に関して、特に伝えたいことはありますか?
情報科学科で、圧倒的に女性が少ない環境でしたが、協力しながら学生時代を過ごしました。女性が少ないのはシステム系の分野の特徴だと思っていましたが、実際就職してみると、自分が所属する現場のチームには男性よりも女性の方が多いですし、自社、共同会社ともに、女性リーダーはたくさんいらっしゃいます。女性だからと特別扱いをされることもなく、男女間の壁も感じさせず、大量のタスクを捌いている背中がとても格好良く、自分もこんな人物になりたいと感じます。環境に左右されず、自分が努力して身に付けたスキルと自信を武器に、頑張っていってほしいと思います。
