渡辺 結香さんのポートレート
渡辺 結香さん(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社)

【現在の業務】企画が形になる瞬間にやりがい

 データサイエンスの力で社会を変えるシステムエンジニア

 現在、私はシステムエンジニアとして日々多様なプロジェクトに取り組んでいます。まずは、私がITに興味を持ったきっかけについてお話ししたいと思います。高校生の頃、進路を決める段階で「理系か文系か」という選択に直面し、とても悩みました。どちらにも魅力があり、「一つに絞るのは難しい」と感じていたのです。
最終的には理系を選びましたが、「文系の知識も大事にしたい」という思いがあり、大学選びの際には文系的な視点も学べる学部を探しました。その結果、総合科学系や情報学系の学部にたどり着き、「ITはこれから大きく成長していく分野だ」と感じていたので、静岡大学の情報学部情報科学科に進むことを決めました。
今振り返ると、この選択は「正解だった」と感じています。システムエンジニアの仕事は、幅広い分野の知識が求められるからです。取引先の企業は、教育系、製造業、公共機関など多岐にわたります。そのため、特に企画開発でシステムを作る際には、理系の技術的な知識だけでなく、企画力やマーケティングの知識など文系の要素も必要です。また、チームでプロジェクトに取り組むので、コミュニケーション力や提案力など多角的なスキルが求められます。

【大学での学び】少数女子の強い結束

学科に女性は10名 チームワークと友情を学んだ大学時代

 大学では、プログラミングやデータ通信、AI(人工知能)を活用したデータ分析などを学びました。最初は専門的な技術に戸惑うこともありましたが、友達と協力しながら学ぶことで、知識を深めることができました。
大学時代はとにかく楽しかったです。カナダへの短期留学も経験しましたし、サークル活動にも参加したり、いくつかのバイトを掛け持ちしたりして学業以外でも多くの経験を積みました。情報科学科には約100名の学生がいましたが、そのうち女性はわずか10名。そのため、10名の絆はとても強く、授業で分からないことがあれば、お互い助け合いながら学ぶことができました。
このような大学での経験は、現在の仕事に大きく役立っています。特に、コミュニケーションやチームワークの大切さを学んだことは、自分の大きな財産だと思っています。
ですが今振り返ると、やはり10名は少ないと感じます。数理・データサイエンス・AIの分野では、まだまだ女性の割合が少ないので、もっと数が増えることで、多様な視点やアイデアが生まれる機会が増え、さらに活発で創造的な環境になるはずです。

【社会を支えるシステム開発の現場での葛藤と成長】

 システムエンジニアとして、お客様の課題を解決するためにゼロからシステムを構築していく仕事は、非常にやりがいがあります。最初はただの「案」に過ぎなかったものが、システムとして実際に形になり、お客様のビジネスに貢献していると実感できる瞬間には、達成感を覚えます。
 新人時代には、全社規模の人事システムの開発を任されたことがあり、まだ経験が浅い中で大きなプロジェクトを担当できることに驚きながらも、責任感とともに大きな喜びを感じました。
しかし、仕事が常に順調とは限りません。経験豊富な先輩方と比べると、自分の未熟さを痛感することも多く、仕事が重なりすぎてプレッシャーに押しつぶされそうになることもありました。
 そんな時、私を支えてくれたのは、周囲の同僚や先輩の協力です。チームメンバーがタスクを分担してくれたり、的確なアドバイスをくれたおかげで、乗り越えることができました。落ち込むことがあっても、先輩方の助言やサポートを受けながら、成長していることを実感しています。

【将来とメッセージ】データ活用を進めるリーダーへ

女性マネージャーとして新たな挑戦を目指して

夢というよりは目標ですが、将来はチームを率いるリーダーや、その上のマネージャーになることを目指しています。現在はプロジェクトの一部を担当することが多いですが、全体を統括し、把握しながらシステム開発に取り組むことが目標です。まだまだ女性のマネージャーが少ないと感じており、挑戦したいと思っています。
それから、大学で学んだデータ分析やAI技術を活かし、企業が蓄積したデータを有効活用できるシステムを開発することが私の夢です。現在、多くの企業ではデータを集めているものの、そのデータを十分に活かしきれていない状況が見られます。
集めたデータをマーケティングや経営判断に役立てるシステムを構築し、お客様の業務成長を支える仕組みを提供したいと考えています。データの力を活用し、新たな価値を生み出すシステム開発は、今後さらに重要性が増していく分野でもあります。

数理・データサイエンス・AIの分野を目指す後輩へのメッセージ

 データサイエンスやAIの分野に向いているのは「コミュニケーションを楽しむ人」です。この分野では、異なる専門分野の人と協力して複雑な問題を解決する場面が多く、チームワークが必要だからです。
もう一つ大切なのが、「困難に逃げずに向き合う力」です。データサイエンスやAIの分野では技術の進化が速く、常に新しい知識を取り入れる必要があります。私も専門用語や英語に苦労しましたが、一つひとつ調べて理解していくうちに、少しずつ知識が増え、困難を克服する力がついていくのを実感しました。
さらに、プログラミングは「ものづくりが好きな人」にも向いています。プログラミングは、目に見えないものを見える化し、システムを構築していく仕事です。ものづくりが好きで、問題解決に情熱を持てる人にはぴったりの職業です。
この分野は、理系だけでなく文系の知識も役立つ場面が多いので、幅広い分野に興味を持つことが重要です。情報科学科や行動情報学科などで学べば、理系の技術と文系の知識の両方を身につけることができ、柔軟な発想が求められる職場では大きな強みとなります。
自分の作ったものが誰かの問題を解決し、社会に貢献できるのは大きな喜びです。だからこそ、やりがいのある分野だと思うので、女性の後輩たちにもぜひ挑戦してもらいたいです。

渡辺 結香さんのデスク
渡辺 結香さんの職場デスクの様子

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