新任教員挨拶: 大竹彩加

4月より大学教育センターの特任助教として着任いたしました、大竹彩加です。静岡キャンパスに勤務しております。ここは頂上にある人文棟が学生たちから「天空の城」と称されるほど、土地の高低差が大きく、建物間の移動でも坂道は避けられません。ですがその分、高層階からの景色は見事です。私は三島市出身ですので、もともと富士山を眺められる環境にはおりましたが、静岡キャンパスではそれに駿河湾が加わり、自然豊かな環境で勤務する喜びを感じております。

私のこれまでの研究について少しお話しさせていただきますと、大学院では英語談話におけるユーモア表現を分析してきました。特にテレビドラマを対象として、登場人物の親密度と、使用されるユーモア表現の攻撃性の度合いとの関係性を探っておりました。ユーモアを研究している、というと、さぞジョークが得意なのだろうと思われがちですが、私自身、どちらかといえばジョークは全然言えないタイプの人間です。だからこそユーモアに惹かれているのかもしれません。

さて、静岡大学での私の任務について話を移しますと、主としているのは全学教育科目の英語授業です。着任する2年前から、非常勤講師として英語授業には携わらせていただいておりまして、昨年には念願だった映画教材を用いた授業を実施することができました。教科書CDなどの音声とは異なる、ネイティブの自然な早さの英語に、受講学生も最初は戸惑っているようでした。ですが、学期末になって、「今期一番楽しい授業だった」等、好評を得ることができ、さらにうれしいことに、「難しかったがやりがいがあり、リスニング力が向上した」との声までもらうことができました。これを受けて、今年度も映画教材を用いた授業を、さらに改良を加えて行う予定です。

先ほど、私はジョークが言えない人間だと言いましたが、ユーモア研究をするくらいなので、受容するのは大好きです。もちろんコメディ映画も好きです。しかしながら、英語でコメディを楽しむとなると、語学力だけでは太刀打ちできません。英語圏の宗教や文化などについての背景知識が必要となってきます。映画の良いところは、authenticなネイティブの英語を聞けることに加えて、視覚的にも彼らの生活や文化を感じられるところにあります。このような映画の特質を生かして、英語圏のユーモアを解釈する楽しみを、授業を通して静大生に味わってもらえたら、と考えております。

無論、私が行う授業のすべてで映画を使用するわけではありません。映画を使用しない授業であっても、言語を文化と併せて伝える理念はそのままに、「教養」英語と呼ぶにふさわしい内容を提供できるよう、努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。