「ESPⅠ(留学)」を教えて思う事 ~ その2 ~

ESPⅠ(留学)」を教えて思う事 ~ その2 ~

大学教育センター 山本好比古

前回は、語学留学に関して説明させていただいたので、今回は学部留学+大学院留学に関して、私の経験を踏まえて書かせて頂きます。私の経験談で恐縮なのですが、私は、大学教育は日本で受けておらず、学士号はニュージーランドのウェリントン・ヴィクトリア大学、修士号と博士号はオーストラリアのキャンベラ大学で教育を受けました。

基本両国の大学教育は似ていますが、語学留学との1番の違いは、勉強量の多さです。語学留学では、英語を語学として学びますが、学部・大学院留学では、英語はできて当たり前で、その英語を使って専門分野を現地の学生と学びます。私の場合は、学部で教育学と言語学のダブルメジャー(専攻)を学んでいました。ニュージーランドの学士課程では、日本の一般教養課程がなく、1年生から専門課程が始まります。1年生の段階で専門科目を決めていれば、比較的楽にダブルメジャーとする事も可能です。そのため、学士課程は3年で卒業となり、サマータームも取れば、2年〜2年半で卒業する事も可能な場合があります。

ニュージーランドの学部生は、基本1学期に3科目履修するのが普通です。4科目履修するとかなり大変になります。各科目基本、講義+チュートリアルの組み合わせとなり、講義では担当の先生の説明が中心の授業となり、チュートリアルでは講義のクラスをいくつかのグループに分けて(少人数にわけ)、講義で扱った内容に関してディスカッション中心の授業になります。専攻にもよりますが、私は教育学と言語学が専攻でしたので、留学生がほとんどおらず、チュートリアルのクラスでは、私1人が留学生で残りはニュージーランド人ばかり・・・というクラスがほとんどでした。

完全なアウェイの環境で最初は全然ディスカッションに参加できず、仲良くなったクラスメイトが、”Yoshi, what do you think?” と助け舟を出してくれて、ようやっと自分の意見が言える感じでしたが、学年が上がるにつれて、ようやく慣れてきて、自分の意見をいうタイミングなどが分かり、少しずつディスカッションに入れるようになっていきました。

成績評価方法ですが、ニュージーランドもオーストラリアも、基本レポートやプレゼンによる成績評価が多く、文系だった私もかなりの量のレポートを書きました。冒頭で勉強量の多さを指摘しましたが、レポートやプレゼンが多いので、学部時代はバイトやクラブ活動をする時間もなく、週末も図書館に通って勉強していた記憶があります。これは良い成績を取ろうとして勉強していたわけではなく、地元の学生と比べて、英語のハンデがあるので、卒業するためには、地元の学生の2〜3倍はやらないと授業に追いついて行けないのです。勉強は大変でしたが、ニュージーランド・オーストラリア人の沢山友達も作れ、今となっては良い思い出となっています。

私は、学士課程に入学してから、日本人を意図的に避けていたところがありました。幸い、クラスの中に日本人がいなかった事+ニュージーランド人ばかりだった事もありますが、語学留学をした時に、日本人数名と仲良くなってしまい、どうしても日本語を話す機会ができてしまいました。その事を語学留学終了後に自分でかなり後悔してしまい、大学に入ったら、現地の学生と友達を作る事も目標の1つとしていました。

ただ、日本人と仲良くなる事は悪い事ばかりではありません。初めての海外生活で、日本語が喋れるというのは精神的に安心できますし、日本に帰国してからも友達としてお付き合いできる場合もあるのも事実です。最終的には、自分が留学に何を求めているのかを考え、それを実行する事が大切かな・・・とも思います。