2022年度「ESP I(留学)」授業内容のご紹介

2022年度「ESP I(留学)」授業内容のご紹介

大学教育センター 安冨 勇希

 

静岡大学英語教養科目の新カリキュラムが2020年から始まり、今年で3年目となりました。新しい科目として開講された「ESP I(留学)」は、ありがたいことに開講してから履修希望が殺到する人気科目となっています。今回は、浜松キャンパスで開講している「ESP I(留学)」の授業内容を一部紹介していきたいと思います。(*キャンパスによって授業内容は多少異なります。今回の紹介は、あくまで浜松キャンパスの「ESP I(留学)」です。)

「ESP I(留学)」の授業について簡単に説明すると、「留学」をテーマに、英語をアクティブラーニング形式で実践的に学ぶ1年生前期の選択英語科目です。英語を勉強するというよりも、英語を使いながら、様々な課題やプロジェクトに取り組んでもらいます。

「ESP I(留学)」は、静岡大学国際連携推進機構と共同で授業を運営しているので、実践的な国際交流の機会も豊富です。例えば同じキャンパスで学ぶ留学生たちに授業に参加してもらい、お互いのことを英語で紹介し合います。留学すると自己紹介だけでなく、出身地や専攻している学問領域も英語で説明する機会があると思いますので、授業内で実践的に練習します。今年参加してくれた留学生たちには、日本での生活における悩みなども共有してもらいました。例えば、ヴィーガン(動物由来の食材や製品をできるだけ避けるライフスタイル)の留学生が日本で安心して食べられる食事について質問があがると、学生たちは頭を捻りながら、肉や卵・乳製品を用いない日本食の例を10個以上紹介していました。

浜松キャンパスでの日本人学生と留学生との交流は、まだ一部の学生に留まっています。浜松キャンパスにおける国際交流がより広がりを見せるよう、「ESP I(留学)」の課題として国際交流イベントの企画を小グループで考え英語でプレゼン発表する、というものがあります。そして、発表された企画の中から学生がやってみたいと思う企画を投票で選出し、実際に企画・実施してもらいます。今年度は、「スポーツ大会」「凧揚げ」「浜松市街への遠足」「音楽クイズ」の4企画が選ばれ、7月に留学生対象に交流イベントを実施しました。延べ25名の留学生が参加し、どのイベントも大いに盛り上がりました。とはいえ、学生たちはイベント企画も英語での運営・広報も経験がありませんから、色々と失敗しながら改善点を考えていきます。「ESP I(留学)」では、英語を実践的に学ぶだけではなく、課題解決にも取り組む機会でもあります。留学先で問題が起きた際には自分で解決する姿勢が求められますので、こうした経験はきっと将来役に立つのではないでしょうか。

「ESP I(留学)」では、他にも静岡大学の交換留学制度を学んだり、交換留学先となる提携校についてポスタープレゼン発表をしたり、実際に長期留学をした先輩から英語で体験談を聞いたりと、たくさんの面白い課題が用意されています。留学の魅力や実践的な情報を知ることで、より留学が身近に感じられることでしょう。この授業を履修することで、留学により前向きな大学生が増えるよう、これからも魅力ある「ESP I(留学)」の授業運営に努めていきたいと思います。