スリープ & ゴー(ある学生さんへ) (大学教育センター准教授 エゲンベルグ・トーマス)

(大学教育センター准教授 エゲンベルグ・トーマス)
あれ?!寝ちゃった?
 まさかと思ったが、やはりそうだった。気任せて寝ていた。
 ほぼ毎年のことだ。4月、新学期が始まり、共通教育の初修外国語、一回目の授業なのに、30人の1人くらいは居眠りしてしまう。
 こちらは毎年、好奇心いっぱいで新入生との出会いを楽しみにしているのだが、向こうは必ずしもそうではないようだ。
 「眠りに逃げ込む前にせめて一度くらいチャンスを与えてくれよ!」とその学生に言いたくなる。
 一方、いつでもどこでも上手に眠れるというのが多く(?)の日本人の特技と言ってもおかしくないかもしれない。だから、文句を言っちゃダメかもしれない。
 新しい生活になれるのが思った以上に大変なのかな?様々な長々の終わりそうもないガイダンス、説明会、自己紹介を聞かせられたり・・・新しいバイト・・・新しいガールフレンド・・・あれこれで疲れたのかな・・・それとも・・・ひょっとしたら僕の居酒屋(授業のこと)が退屈かも?最低だ。
 もしそうであれば、まあ、仕方なく許してあげよう!でも、そうでなければ、ただの無関心で寝てしまったら、許してあげるわけないだろう。
 だって、日本の学費は、他の国と比べて(例えばドイツ、スイス、オーストリア)とても高い。数倍ほど高い。
 あの教科書のカバーに移っている綺麗な女の子・・・君を婀娜っぽく見ているのに気付かなかったのだろうか?見知らぬ世界で冒険が君を待っている。新しい言語を学ぶって、ただのつまらない紙食いではないのよ。新しい人生への旅だ。生まれ変わるとそれほど変わらないものだ。
 覚えている?もう居眠りしていたかもしれないけれど、何でドイツ語にしたのかを皆で話し合おう!と僕は言った。「なんとなく」、「家にドイツ語の辞書が置いてあった」、「ドイツ語のサウンドが格好いい」、「ソーセージが美味しそう」、「英語の文法が似ていると聞いてラクだと思ったから」というような理由で君も外国語を選んだのなら、何かちょっと足りないかもしれない。
 スリープ & ゴー、ノーノー。
お~い、目を覚ましてよ~!教室より広い世界を新鮮な目で見てみないかい?あの綺麗な女の子と手をつないで歩いて行こうよ!眠りに落ちる前にせめて一度くらいチャンスを与えてくれよ!
 お願いです。お願いします!

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