新任職員研修会について
大学教育センター キャリアデザイン教育・FD部門教授
学長補佐 佐藤 龍子
静岡大学では今年度3回にわたって新任職員の研修会を開催した。第1回目は基礎研修(4月1日~3日)で、「大学職員として、大学事務を遂行していく上で必要な基礎的知識の習得及び本学の先進的な研究並びに特色ある施設並びに大学の歴史を理解してもらう(勤務に必要な基礎知識、勤務する大学を愛してもらうこと及び仲間意識のための取組み)」である。
2回目のフォーロアップ研修(8月22日~23日)は、「職員間の連携及び絆を再確認するための共同作業体験、勤務する大学をより働きやすい勤務環境にし、大学が更に発展していくための取り組みの意識の促進と行動を気づかせるためのグループ別の意見交換及びリーダーシップの認識と自覚への取組み」である。1回目はおしか荘に、2回目は藤枝フィールドに宿泊して親睦も深めた。(以上職員課の資料から)
第3回目は修了研修で12月に開催し、私が担当した。内容は、①「学生によるミニレクチャー」 ②「中央教育審議会答申をどう読む?」 ③「大学職員とはなにか?」である。グループワークやプレゼンも盛り込んだ。新任教員研修会を3回シリーズで行うことも静大では初めてであるが、職員研修会で学生(理学部2年生)がミニレクチャーを行うのももちろん初めてである。「学士課程答申」や平成24年度の中教審答申をじっくり読めば、学生がミニレクチャーをする意義は分かっていただけると思う。また、県庁や市役所に勤める公務員でなく、大学職員とは何なのかを学生のレクチャーを通して感じてほしいとも考えていた。
新任職員の方からは、学生のレクチャーに刺激を受けたという声が寄せられた。「発表してくれた学生の足元にも及ばないかもしれないが、身近にああいった目的意識の高い学生がいることは刺激になったし、仕事にやりがいも感じる」「研修会はきっかけにすぎない。自分でどのように学び続けられるかが大切だ。一人でやり続けるのは大変だが、仲間を持ち互いに刺激を受け合いながら長くやっていくことをこれからも心がけたい」「久しぶりに頭を金づちで10発くらい打たれたような衝撃を受けた。大学職員が求められる力は多く、重く、大学を支える力をつけなければ淘汰されてしまうのだと感じた。(中略)(プレゼンの)学生を目指して頑張ります。能力を生かしてより幅広い分野に応用していきたい」などの感想が寄せられた。
銀行や証券に勤めていれば、金融知識は不可欠である。金融のプロである。大学に勤めているのであれば部署に関わらず、中央教育審議会答申を読んだり、簡単な高等教育の歴史や大学改革の背景を知っているのは当然である。私たちが寄って立つ基盤は、大学である。新任職員の方々が、「大学のプロになる」自覚を持ち始めたように感じた。こうした意欲的な新任職員をこれから伸ばし、育ててくださることを切に願っている。