学際科目フォーラムによせて

(学際科目部運営委員会 代表 宇都宮 裕章)
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 去る9月29日、静岡キャンパス共通教育A棟301教室、および、浜松キャンパス総合24教室にて「静大の学際科目を考えるフォーラム」と題した会が盛況のうちに終了した。本会は、学際科目の一層の周知と理解を深めることを目的としたもので、その目的はほぼ達成されたことであろう。

 学際科目は、2006年度カリキュラム改定によって設置された専門分野横断的な科目群である。本学においては、現代教養科目として教養教育の一環で実施されている。開講の目的は、深化する反面狭隘化を免れ得ない学問分野の意義を改めて発掘すると同時に、諸分野の連結によって現代に有用かつ新たな知見を創出するところにある。諸学問への入口として、さらに、多角的な視野と鋭い問題意識の涵養に寄与する里程として、学際科目の重要性は高まる一方である。しかしながら、このような理念の科目化とその運営は年々難しくなっている。学際科目の名に相応しい科目群が出揃い履修状況も安定するようになってはいるものの、運営委員や授業担当者の負荷は相変わらず大きく、科目間の温度差も生じている。今後の学際科目部の浮沈は、学際的という流動性を確保しつつ独創的な科目群を維持するという矛盾を、いかに解決していくかにかかっている。

 以上を背景にフォーラム開催の機運が高まった昨年度以来、運営委員会内で議論を重ね、本年度の開催に至った。