【 宇賀田 栄次・学生支援センター】「静大フューチャーセンター」が1周年を迎えます
「静大フューチャーセンター」が1周年を迎えます
宇賀田栄次(学生支援センター キャリアサポート部門)
みなさんは「フューチャーセンター」をご存知でしょうか。フューチャーセンターは、スウェーデンのレイフ・エドビンソン教授の提唱により「未来の知的資本を生み出す場」とスタートし、その後、「欧州内の公的機関に広がり、複雑な問題をスピーディーに解決するために、多様な専門家やステークホルダーを集め、オープンに対話する場として発展」(野村,2012)しました。日本においても「企業や大学のオープン・イノベーションの場として、また未来に向けた市民参加の街づくりの場として、期待が集まっています」(野村)。つまり、様々な立場の関係者が幅広く集まり、フューチャーセッションと呼ばれる未来志向での対話を通じて、新たなアイデアや課題解決の糸口を見つけるとともに参加者が起点となって解決や創造を実践していく場をフューチャーセンターと呼ぶのです。異業種交流会や勉強会、討論会などと大きく異なるのは実践の場でありアウトプットを共有する点にあります。 静岡大学において、フューチャーセンターがスタートしたきっかけは、静岡県立大学経営情報学部の国保祥子先生の研究室を母体としたフューチャーセンターが2011年に発足し、そこに参加する「常連」であった天野浩史くん(当時理学部4年生)から「静大でもフューチャーセンターを作りたい」という相談を昨年7月に受けたことでした。 天野くんは専門分野(物理学)の学びやサークル(棚田研究会)だけでなく、静岡市主催の「地域デザインカレッジ」という人材養成塾にも通い、ソーシャルデザインやコミュニティデザインなどの考え方も吸収し、主体的にまちづくりに関わる活動にも意欲的でした。 一方、私の方は学生のキャリアサポートに関わるなか、学生が主体的に社会に関わる機会の少なさに課題を感じており、静岡県立大学の国保先生の活動も存じていましたので、天野くんと意気投合し、その場で「静大フューチャーセンター」のスタート日を決め準備を進めました。 昨年8月16日18:00から私の研究室で「静大フューチャーセンター vol.1」を開催し、以来、月1-2回のペースでこれまで19回を重ね、様々な立場の社会人(企業経営者、行政職員、NPO代表、会社員、個人商店主など)や他大学の学生など延べ250名を超える方に参加いただきました。参加者の中から事前に提出される課題から毎回1~2つ選び、参加者が対等な立場で議論を深め、必要に応じて学生を含めたプロジェクトとしてその後継続的に展開されます。これまで「若者にもっとお酒を買ってもらうには」という個人商店(酒屋)からの課題、「お粥のリメイク商品に学生のアイデアを活かしたい」という食品卸企業からの課題、「防災活動を学生がもっと身近に取り組むには」という学生からの課題など、まさに地域やそれぞれのコミュニティで抱える課題や問題が議論され、その後のプロジェクトで学生と社会人とが連携して課題解決に向けて取り組んでいます(写真は今年5月の春フェス期間中に開催された「防災ワークショップ」です。フューチャーセンターから始まった防災プロジェクトに関わる学生の企画で社会人や学生約30名が集まり、次のアクションについて議論を深めました)。 さて、この度1周年を迎える記念としてパーティーも兼ねvol.20を静岡キャンパス第一食堂で行います。どなたでも参加を歓迎いたしますので、これまでフューチャーセンターを知らなかったという方もこの機会に是非お越しください。 静大フューチャーセンターvol.20&1周年記念パーティー 日時 2014年8月9日(土) 17:00-19:00 会場 静岡大学 静岡キャンパス 第一食堂 会費 社会人 2,000円-3,000円程度 学 生 1,000円-2,000円程度 お問い合わせ、申し込みは学生支援センター宇賀田(oeugata@ipc.shizuoka.ac.jp)へ(facebookのイベントページでも募集中) 参考文献 野村恭彦(2012)『フュ-チャーセンターをつくろう』プレジデント社