【天野修一・大学教育センター】着任のご挨拶
着任のご挨拶
天野修一(大学教育センター特任助教)
大学教育センターに特任助教としてまいりました、天野修一です。浜松キャンパスに勤務しております。
私は富士宮市の生まれで、幼少のころは旧富士川町、その後は富士宮市で育ちました。静岡県出身の私にとって地元の国立大学である静大は最もなじみのある大学の一つであり、また憧れの大学でもありました。その静岡大学に勤務できることを心から嬉しく思っております。精一杯仕事に励みたいと思います。
研究者として活動する人は誰でも、「専門は何ですか」という質問を受ける機会がたくさんあると思います。いま私は「第二言語習得研究です」と答えることにしています。第二言語習得というのは、人が母語以外の言語を身につける過程を明らかにしようとする研究分野です。
もう少し具体的に私の関心を説明しますと、外国語として英語を学んでいる人が、英単語を聞いて理解しようとするときの処理過程(一瞬で消えてしまう音声をどのように聞き取り、理解にまで結びつけているか)といったことに興味を持っています。英語圏の国々に生まれ育った英語母語話者は、英単語の意味的な情報はもちろん、文法的な情報や音に関する情報までも上手に捉え、それを効率的で負担の少ない音声言語理解に結びつけています。外国語として英語を学ぶ人にもそのような効率的な英単語の処理が可能なのか、可能なのだとしたら、それを達成するためにはどうすればよいのか、ということを考えています。最終的には、そこから得られた知見を活用して、教員はどのように学習者を指導していったらよいのか、あるいは学習者はどのような自主学習をするとよいのか、というところにまでたどり着くことを目指しています。もちろんリスニングに大事なのは単語の聞き取りだけではないのですが、単語の聞き取りだけでも検討すべきことはまだまだたくさんあると思います。
外国語を勉強したらそれなりにできるようになるのは当然のことだと思う人もいるでしょう。でも、私はそうは思いません。まったく意味のわからない空気の振動のようでしかなかったものが、学習期間を経て、意味のある言葉として感じられるようになることを、とても不思議なことだといまでも思っています。しかも、外国語を学ぶ人全員が、同じ教員の指導のもと、同じ方法で、同じ時間だけ、同じくらい一生懸命に学習すれば、同じくらいできるようになるわけでもないのですから、ますます不思議です。外国語を学ぶ学生にとっては、この不思議が外国語の学習を難しくする原因になってしまうこともあるでしょう。そんなときこそ私が学生のみなさんの役に立てるときかもしれません。
まずは日々の授業から、学生の英語学習に少しでも貢献するような授業を作っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。