【山本隆太, 山本好比古, 坂井敬子, 須藤智・大学教育センター】プレゼンテーション入門でのフィールドワーク実践報告 その1 (COC+,学環)

プレゼンテーション入門でのフィールドワーク実践報告 その1

山本隆太・山本好比古・坂井敬子・須藤智

1. 全体の枠組み
_静岡大学では、平成28年度から地域創造学環が開始されました。本年度、大学教育センター教員が、地域創造学環の教養科目「プレゼンテーション入門」を担当しています。この授業では、レジュメやスライドによる情報伝達能力を育成する目標に加え、静岡県の地域的課題を発表のテーマとして取り上げることで学生の地域志向を促すことを目標としています。また、今後の全学教育科目における地域志向科目において、同様の科目が、展開可能かどうかCOC+事業の枠組みの中で検討しています。今回は、4クラスがそれぞれいくつかのフィールドに出向き簡易なフィールドワークを実施してきましたので、それぞれを連続で報告いたします。(文責:須藤)

2. 山本隆太クラス、山本好比古クラスでのフィールドワーク紹介
_静岡県は近年、国の観光立国政策とも関連して観光振興に力を入れています。そこで山本隆太・山本好比古のクラスでは、デービッド・アトキンソン著「新・観光立国論」(東洋経済新報社)を文献として取り上げ、レジュメ発表による輪読を行ってきました。今回、静岡県の観光実態に迫るべく、県内有数の観光地である三島と修善寺をフィールドとしてガイドツアー体験および現地調査を行いました。参加者は山本・山本クラスの25名に加え、「外国人の方の考え方を知りたい」という学生の要望に応え、有志の留学生5名も加えた計30名でした。

当日の行程
7時 静岡大学 集合・出発
9時 三島 ジオツアー(楽寿園、白滝公園、三嶋大社)
11時 三島市内で現地調査
13時 修善寺 ジオパーク拠点施設「ジオリア」見学
14時 修善寺温泉で現地調査
18時半 静岡大学 帰着・解散

伊豆半島ジオパークの観光ツアーを体験し、自分たちで課題をさらに掘り下げる
_三島と修善寺を含む伊豆半島は現在、ユネスコの世界ジオパーク登録に向けた観光振興と地域活性化に取り組んでいます。三島ではジオパーク見学サイトである楽寿園や三嶋大社を訪問し、三島の自然環境(溶岩と湧き水)や歴史文化(宿場町と祭り)について認定ジオパークガイドによるジオツアーを体験しました。続いて三島市内をフィールドとして、学生たちがグループごとに三島の地域的課題について街頭調査しました。あるグループは飲食店でヒアリングを行いました。そして、町おこしを狙うB級グルメとは、突飛な流行品ではなく、地元の歴史や文化、自然や農業が折り重なってできる産品であり,地域独自の価値があることに気づきました。
_修善寺では、伊豆総合会館内の情報センター「ジオリア」にて伊豆半島の自然、文化が形成された経緯を映像や資料を見て学びました。伊豆半島では,プレート運動と火山活動に由来する地熱によって各地に温泉が湧き,観光業が発展してきました。そこで修善寺温泉に移動し、観光の実態について調査しました。あるグループは、外国人観光客の着物体験について店舗でヒアリングをしました。すると、着物を着るだけでなく、着物姿でまち歩きをして「かわいい」と褒められる経験こそが外国人観光客の旅行体験として重要という話を聞きました。このグループは、異文化体験と観光資源のあり方に関する新たな視覚を得るとともに、この視点を掘り下げた観光調査を継続しています。
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3. フィールドワークを終えて

地域創造学環一年生の感想
 ▶現地に行く事で、その地域の人々の話を聞けた
 ▶実際にお店に入り、食べ物を食べたり、触り、いろいろ体験する事ができた。
 ▶ガイドさんなどの現場に近い人からの意見は参考になる
等のポジティブなコメントもある一方で、
 ▶必要な情報を聞けなかった
 ▶もう少し情報を集めたかったが、あまり人がいなかった
などのコメントもありました。

参加した留学生のコメント
 ▶(参加した理由は)日本人とGeoツアーをやるのが楽しそうだったから。実際に楽しかった(ドイツ・女性)
 ▶(参加した理由は)新しい場所を見たかったから(スロバキア・女性)
 ▶(日本人学生とのコミュニケーションについて) 私のグループの学生さんはみんな優しくて、日本語でも英語でもいろいろ話してくれました(チェコ・女性)

4. プレゼンテーションの必要性を地域の中で生み出す、地域からフィードバックをもらう
_静岡県の現状と課題を学生が現地で直に感じ取り、またそこに課題解決的に参画することで,プレゼンテーションを行う必要性や意義が理解されたと思います。本調査活動の報告については、8月8日(月)共通教育L棟でのプレゼンテーション入門最終発表会にて報告される予定です。現地でお世話になった方々にはウェブ上で報告し、意見をもらう予定です。(文責:山本・山本)