【翟勇・大学教育センター】初修外国語授業の工夫
初修外国語授業の工夫
翟 勇(大学教育センター)
静岡大学には、ドイツ語、中国語、フランス語、スペイン語、韓国語、ロシア語(静岡キャンパスのみ)、ポルトガル語(浜松キャンパスのみ)、各キャンパス六つの初修外国語の授業を開講している。授業での工夫などについて、フランス語、ドイツ語、中国語、スペイン語、ロシア語を担当している非常勤講師にインタビューした。
フランス語「初修外国語入門Ⅰ、Ⅱ、初修外国語Ⅱ、Ⅲ、フランス文学演習Ⅱ」の担当は青木博子先生である。日本語にはフランス語から来た単語がたくさんある。たとえば、サロン、クレヨン、ガトー、ショコラ、ラングドシャ、ゴーフル、ラパン、デビュー、エレガント、アトリエ、パピヨン、パンタロン、マント、マシェリ―、ジュレーム、クレドポー、アンサンプル、などなど。授業中、これらの単語を説明することによって、フランス語について学生の興味を引くよう努力している。
ドイツ語「初修外国語入門Ⅰ、Ⅱ、初修外国語Ⅰ、Ⅱ」の担当は蓑島洋子先生である。ドイツ語の授業では、ドイツ語の歌を聞かせたりする。たとえば、前置詞を勉強する際、「魔王」という歌を聞かせ、前置詞の使い方を説明する。また、ドイツ語由来のスポーツ関係の外来語を説明したり、NHKの「旅するドイツ語」を見せたりして、学生の興味を引くように工夫している。
ロシア語「初修外国語入門Ⅰ、Ⅱ、初修外国語Ⅰ、Ⅱ」の担当は有賀祐子先生である。ロシア語の授業では、次のようにいろいろな工夫をしている。まず、クイズの形で授業を行うことによって、授業の雰囲気がよくなる。そして、学生がメロディを知っている簡単なロシア語の歌を聞かせ、ロシア語に親しみを感じさせる。また、さまざまな状況を想定し、グループで会話を作らせて、聞く・話す・読む・書くという四つの能力のレベルアップを目指す。
中国語「初修外国語入門Ⅰ、Ⅱ、初修外国語Ⅰ」の担当は保坂思芳先生である。中国語では、発音が一番重要である。二人のグループで発音練習したり、先生と練習したりして、発音の練習に力を入れる。テキスト本文の会話を暗記することにより、流暢さ・発音の正確さをチェックする。会話暗記は最後の試験の点数にもなるので、極端的な高点数を避けることができる。更に、ライティングが上手な学生、リスニングが上手な学生、スピーキングが上手な学生、各学生のメリットを発揮し、最後の試験の点数を決める。
中国語「初修外国語入門Ⅰ、Ⅱ、初修外国語Ⅰ、Ⅱ」の担当は周佩芳先生である。授業中、実物(野菜、花、ぬいぐるみなど)を持って、学生に発音の練習をさせる。また、リレーの形で文を作るのを競争する。どのチームが文を作るのが多くて、かつ文法も正しいなのかを競争する。中国語の数字は毎回の授業でリレー競争の形で練習させる。言語の学習は、武術と同じように体を動かすことで言葉が身に付きやすくなる。たとえば、飲む、立つ、座る、食べるなど。
スペイン語「初修外国語入門Ⅰ、Ⅱ、初修外国語Ⅰ、Ⅱ」の担当は野内遊先生である。スペイン語の授業では、地図を使って、スペイン語を話す国を紹介する。また、スペイン語を話すそれぞれの国の文化、そして、それぞれスペイン語を話す国において、使う単語の違いなど紹介したり、サッカー、音楽などを紹介したりして、学生の興味を沸かせるように工夫する。そして、授業中、先生は自分自身の失敗したことを話し、失敗を恐れない、気にしないことを教える。大きな声、明るいイメージを作る。スペイン語はローマ字表記で、発音が簡単で、スペイン語ができるといろいろな国の人と話すことができるなど、学生に自信を持たせるよう工夫する。
以上外国語非常勤講師が授業で工夫したところを紹介した。今回のインタビューを通じて、改めて、学生のためによりよい授業を提供しようと全力で頑張っている先生の姿を感じた。