【坂井敬子・大学教育センター】「学生支援センター×就職支援課×大学教育センター」連携での就職関連ガイダンスの実施について
今日の大学では,学生の社会的・職業的自立を図るために必要な能力を培うために,学内の組織間の有機的な連携を図り,適切な体制をとることが文科省省令の大学設置基準で求められています。本学ではそうした大学設置基準の改正を受けて,教育改善を図る「FD(ファカルティ・ディベロップメント)活動」と「キャリアデザイン教育」とを融合させた「全学キャリアデザイン教育・FD委員会」や「キャリアデザイン教育・FD部門」が設置されています。私たち部門のメンバーは,日々,様々な教育改善と学生たちのキャリア支援を結び付けて教育を見直していこうと考えながら業務に携わっています。
その一環として本学では数年前から,就職関連のガイダンスで,大学教育センターのキャリアデザイン教育・FD部門の教員からの時間を設けています。
今年度は4月に,3年生が主対象になる全学就職ガイダンスが実施され,静岡・浜松の両キャンパスで延べ800人強の学生が参加しました。ガイダンス当日は,私の方から「学問への取り組みが就職活動や職業生活に活きる」という趣旨でレクチャーを行った後,主講演として学生支援センターの宇賀田栄次先生から,就職活動の過去データや今後のポイントが詳細にレクチャーされました。当日のアンケート結果は,静岡の3年生を対象にした開催分について「とても有意義」18.7%,「有意義」53.0%,「まあまあ有意義」28.3%と概ね良い反応でした。自由記述では,多くの学生が就職活動に向けて決意を新たにできたことがわかりました。また,大きな会場ではありましたが立ち見で不便をした学生も多かったので,環境整備の面でも連携の強みを発揮すべきようです。
また5月には,2年生が主対象になる進学・就職ガイダンスが静岡キャンパスで実施され,55名の学生が参加しました。宇賀田先生からこれまでの採用活動の動向と2年生の今だからこそやっておくべきことのレクチャーがあり,その後,42名の参加者で「日常をビジネス目線で考える」というテーマで,私がファシリテーターとなりワークショップが行われました。このワークショップは「ビジネスにも学問で鍛えた思考法が役立つ」という企画趣旨によるものです。当日のアンケート結果は,「とても有意義」26.2%,「有意義」45.2%,「まあまあ有意義」21.4%でした。自由記述では,議論の時間が少なかったという意見が目立ちながらも,議論できたことが良かったようです。
今,地域や産業と大学のつながりが重視される中で,上記で紹介した正課外,学生支援との連携の経験が,正課の取り組みにも活きるように思っています。