着任のご挨拶
(大学教育センター特任助教 小早川 真由美)
_今年度4月に着任しました大学教育センター特任助教の小早川真由美(こばやかわまゆみ)と申します。
_浜松キャンパスで工学部と情報学部の英語(前学期は英語コミュニケーションⅠ,応用英語Ⅱ,応用英語A,TOEIC演習)を担当させていただきます。よろしくお願いいたします。
_着任してから約2ヶ月が経ちましたが,不慣れな点が多い私を真摯に指導していただいている諸先生方や,教員生活を支えてくださっている大学職員のみなさま,ならびに在校生のみなさまに心より感謝申し上げます。
_このたび静岡大学に入学されたみなさま,おめでとうございます。
_私の専門分野は英語教育学の教材論です。4技能の中でも「書くこと(ライティング)」に焦点を当て,実際にどのような「書くこと」の課題(活動・作業・タスク・練習問題)が教科書内で設定されているのか,それらの課題は学習指導要領が求めるライティング能力を育成するのに適切な課題かという観点から,主に高等学校英語教科書の比較分析を行っています。教材論の研究を始めたのは11年前,筑波大学の英語教育の先生方が書かれた『新学習指導要領にもとづく英語科教育法』という本の中で久保田章先生が執筆された『教科書と教材研究』の章を拝読し,教科書研究に大きな感銘を受けたことがきっかけでした。久保田先生に直接ご指導いただきたい一心で,私は6年前に高校教員を退職し,期待,希望を抱き,筑波大学大学院の一貫制博士課程に入学しました。筑波大学大学院生という新しい生活に,初めは戸惑うことばかりでした。入学当初は息つく暇もないほど,次々と出される課題に追われ,大学院の生活に順応することができず,大変苦労しました。しかし,同じ目標を持つ仲間と互いに励まし合い,切磋琢磨し合うことで,研究への手応えを感じるのは喜びでもありました。さらに先生方の実践的な授業により,受け身の学習ではなく,自己責任と自らの発想をもって研究に取り組むことで,私は研究活動の深さや厚さを十分に実感しました。教材論は,必要とされながらも実際にはあまり研究がなされていない研究分野だと言われていますが,大学院では一貫して英語教材の分析と活用の研究に没頭してきました。学会発表や投稿論文,修士論文,博士論文など,ひとつひとつ試練を超えるたびに,自信を持つことができたように思えます。私が筑波大学大学院での学習から得たものは,単に知識や技術だけではなく,これからの人生にとって心の糧や支えとなるような貴重な指針でもありました。私はそれらを大切にして,大学院修了後は新しい道へ出発していきたいと考えてきました。そして念願かなって今年4月に静岡大学に着任することができました。
_静岡大学の新入生のみなさまも,将来の夢や目標に向かって,勉学に励み,自分の可能性を精一杯開発していただきたいと思います。