教職実践演習

教職実践演習の概要

 教職実践演習は、平成22年度以降入学生の必修科目で、4年次後期に開講されます。授業の中ではこれまで学んだ教職科目の内容について振り返りを行い、教員として必要とされる資質・能力の観点から、自分に不足している知識や技能を再確認すること、そして今後教員として就職した後も、更なる技術の向上を図れるようにすることを目的としています。授業はできるだけ少人数の演習形式で行い、模擬授業、事例研究、グループ討論などの取り組みを積極的に取り入れつつ実施することが求められています。文部科学省が指定する教職実践演習における到達目標の例は、以下のとおりです。
含めることが必要な事項 到達目標
1.使命感や責任感、教育的愛情等に関する事項 ○ 教育に対する使命感や情熱を持ち、常に子どもから学び、共に成長しようとする姿勢が身に付いている。
○ 高い倫理観と規範意識、困難に立ち向かう強い意志を持ち、自己の職責を果たすことができる。
○ 子どもの成長や安全、健康を第一に考え、適切に行動することができる。
2.社会性や対人関係能力に関する事項 ○ 教員としての職責や義務の自覚に基づき、目的や状況に応じた適切な言動をとることができる。
○ 組織の一員としての自覚を持ち、他の教職員と協力して職務を遂行することができる。
○ 保護者や地域の関係者と良好な人間関係を築くことができる。
3.幼児・児童・生徒理解や学級経営等に関する事項 ○ 子どもに対して公平かつ受容的な態度で接し、豊かな人間的交流を行うことができる。
○ 子どもの発達や心身の状況に応じて、抱える課題を理解し、適切な指導を行うことができる。
○ 子どもとの間に信頼関係を築き、学級集団を把握して、規律ある学級経営を行うことができる。
4.教科・保育内容等の指導力に関する事項 ○ 教科書の内容を理解しているなど、学習指導の基本的事項(教科等の知識や技能など)を身に付けている。
○ 板書、話し方、表情など授業を行う上での基本的な表現力を身に付けている。
○ 子どもの反応や学習の定着状況に応じて、授業計画や学習形態等を工夫することができる。

教職履修カルテ

 教職実践演習の授業で振り返りをするにあたり、学生は1年次から「教職履修カルテ」を継続して作成する必要があります。静岡大学の場合は、対象となる教員免許上の必修科目や教科教育法の授業が終わった後、「学んだことと課題」と「自己評価」を学生が学務情報システムから各自速やかに入力する手順となっています。学務情報システムを使った教職履修カルテの様式は、下図のようなイメージになります。

受講までの事前準備

受講要件

 教職実践演習を受講するためには、以下の要件を満たす必要があります。教育学部以外の学生については4年次の夏、教育学部生については3年次後期あるいは4年次初めにガイダンスが行われますので、日程や場所を掲示等で確認してください。
(1) 各学部別の学生便覧等で指定される、受講要件科目を修得する。
(2) 4年次前期までに修得した科目の教職履修カルテを全て完成させる。
(3) 教職実践演習の事前ガイダンスへ参加する。

年次学期別の手続概要


教職実践演習の授業進行

 教職実践演習の授業は、授業回別に以下のような学習内容で実施されます。

【教育学部以外】

学習内容
1 4年間の学習・学生生活のふりかえり①―グループ発表
2 4年間の学習・学生生活のふりかえり②―本授業の課題設定
3 学級経営案の作成と討論①―講話と具体的作成の仕方について
4 学級経営案の作成と討論②―経営案の発表と講評
5 教職実地研修①―専門高校で行なう
6 教職実地研修②―専門高校で行なう
7 教師の活動についての講話①―組織の中の一員として、地域・保護者の関係について
8 教師の活動についての講話②―生徒の状況、進路指導、教育課程について
9 安全・健康・危機管理に関する事例研究①―講話及び話し合い・意思決定
10 安全・健康・危機管理に関する事例研究②―指導・講評
11 教科指導について①―授業案のふりかえり
12 教科指導について②―模擬授業とふりかえり・評価
13 教科指導について③―模擬授業とふりかえり・評価
14 教科指導について④―模擬授業とふりかえり・評価
15 教師になる構え―この授業をふりかえって(グループ発表)

【教育学部】

学習内容
1 教職履修カルテと学生生活の振り返り
2 教職履修カルテと学生生活の振り返り
3 学級経営とその実際
4 学級経営方針を児童・保護者に伝達する(3回と同日に行う)
5 事例研究:安全・健康・危機管理(1)
6 事例研究:安全・健康・危機管理(2)(5回と同日に行う)
7 指導技術(1):模擬授業を活用した演習等~指導案の構想に基づく授業の展開~
8 指導技術(2):同上
9 指導技術(3):同上
10 指導技術(4):模擬授業を活用した演習等~指導案に基づく授業研究会~
11 附属学校訪問(1)(11~14回は、2日間附属学校を訪問する)(注)
12 附属学校訪問(2)
13 附属学校訪問(3)
14 附属学校訪問(4)
15 まとめ:実践演習を振り返る
注)所定の条件を満たす学校ボランティア等の活動を行っている場合は、それをもって代替することができる。